10月23日に行われた新潟市長選挙で、2期目の当選を果たした中原八一市長。次の4年も県都の舵を取るリーダーとして「人口減少」「子育て支援」「都心軸活性化」「区の権限」といった“積み残された課題”に、どんなビジョンを描くのか話を聞いた。
「評価いただけた」 中原八一市長
新潟市長選で2期目の当選を果たした中原八一市長。共産党系の新人との一騎打ちで「事実上の信任投票」とも言われる中、9万6000票の差で勝利した。ただ、投票率は低迷し、7割近くが投票していないという結果に。
この記事の画像(17枚)(Q.信任を得られたと言える?)
新潟市 中原八一 市長:
正々堂々とお互い選挙戦を戦った結果として得票をいただいたので、信任を皆さんから、ありがたくいただけたと思っている。新潟市の財政の立て直しに向け、基金も積み増すことができたし、その財源を使って子ども医療費の実現をできた。こうしたことが皆さんからご評価をいただくことになったのではないか
行財政改革を推進し、子どもの通院費の助成対象を拡充したことなどを1期目の成果に挙げる中原市長。一方、この4年間で積み残した課題もあった。
「人口減少対策」表現に変化も…
新潟市 中原八一 市長(2018年):
総合的に人口減少を食い止めるための対策に取り組みます
前回の選挙で掲げた「人口減少ストップ」の公約。就任前からの人口減少の流れを止めることはできず、9月の推計人口は10年前と比べて3万人以上減っている。
こうした中、今回の公約からは「人口減少を止める」という文言が消え、「人口減少社会に対応する」という表現にとどめている。
(Q.表現が弱まったように見える)
新潟市 中原八一 市長:
率直に申し上げ、少し考え方が甘いところもあった。現実的な状況としては、人口減少を完全にストップさせるということは難しい。しかし、人口減少が最も重要な問題であるという認識は変わっていない
引き続き、人口減少対策を最重要課題に挙げ、2期目も力を入れると話す子育て支援。妊産婦の医療費助成の所得制限撤廃など、さっそく2023年度予算に盛り込みたい考えだ。
また、新潟駅・万代地区・古町地区を結ぶ「にいがた2km」と名付けた都心軸の活性化にも継続して取り組み、発展させていくと話す。
新潟市 中原八一 市長:
新潟駅については駅直下バスターミナル、新しい万代広場と、段階的に供用開始する予定で観光や交流人口の拡大にも寄与する。それから新しいオフィスビルを作って、新しい雇用を作っていきたい
「区の再編は当然検討」“活力向上”目指す
一方、新たな視点で進めると強調するのが、市内8つの区の権限の強化。
新潟市 中原八一 市長:
区長の権限を強化できるような体制に取り組みたい
背景にあるのは、中心部の外を取り巻く厳しい現状。10年間の人口の減少率を見ていくと、中央区に比べ、周辺の区の人口減少のスピードが早いことが分かる。
こうした中、維持管理費の増大などにより、各区に設けられた公共施設の統廃合が議論されていて、中心部以外の住民からは不満の声も。
秋葉区で昨年度行われた意識調査では「区内に住み続けたい」と答えた20代が4割に届かなかった。中原市長は各区が独自に使える予算を拡充することで、市内全域の活力向上を図る考えで、将来的には統合など8区の再編も視野に入れている。
新潟市 中原八一 市長:
住民の皆さんの意識の変化、人や物の移動の状況の変化によって、区が今持っている役割が変化していくということであれば、区の再編は当然、検討されるべき
様々な課題を抱える中、手腕が問われる中原市政2期目。政令市新潟はどんな道をたどるのだろうか。
(Q.4年後、どんな新潟市の姿を実現したい?)
新潟市 中原八一 市長:
都市部と周辺に広く農業地域田園地域が広がっているところが他の政令市と全く違うところ。都市と田園が調和して暮らしやすいことを積極的にアピールしながら「生活して、働いて、生まれてよかった」と感じてもらえる政令市を実現していきたい
(NST新潟総合テレビ)