安倍・二階会談で「採決見送り」へ

自民党役員会 18日夕方
自民党役員会 18日夕方
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夕方行われた自民党の役員会で、冒頭安倍首相はいつものマスクをしたまま終始ぶぜんとした表情。

実はこれに先立ち、安倍首相は自民党の二階幹事長と会談。今国会で検察庁の定年を延長する検察庁法改正案の採決を見送ることで一致したのだ。

会談終了後二階氏はどこか納得していない様子だった。

記者:総理から何かコメントは?

自民党二階幹事長:
特にありません。

記者:見送ることは一致していないですか。

二階幹事長:
していません。

一転採決見送りの理由 「世論の力」

今日になって急に見送りとなったのは理由について、ある自民党関係者は、「世論の力だ。見送りにしてくれて助かった」と語り、著名人らからの批判が相次いだことで影響が広がったことが決め手となったという。

しかし見送りが決まってからも批判は収まらず。

元格闘家の髙田延彦さんは#検察庁法改正案に抗議します を使い批判していたが、見送りを受けさらに「仕方がなくいったんは引っ込めたが考え方の根っこは一緒だよ」「今の内閣には国民の思いや苦しみをくみ上げる使命感なんてないわな」とツイート。

ラサール石井さんは「国家公務員法ごと見送るなよ。公務員の定年延長そのものは反対してないんだよ。」とツイートし、検察庁法改正案とともに審議中だった国家公務員法も見送ることを批判した。

ラサール石井さんのツイートより
ラサール石井さんのツイートより

さらに身内からも。

自民党 石破茂元幹事長:
ツイートが激増したということか状況が変わった大きな背景だと思います。
法案を出す段階でこれどういうふうな世論の反応はあるだろうか、ということを予測するのはやっぱり政府与党両方の責任だと思います。

今回この法案については新型コロナ対応の中、不要不急ではないかとの指摘も相次いだ。しかし先週安倍首相は野党側の質問に成立の必要性を訴えていた。

安倍首相(参院本会議 5月15日):
国会へ提案した法案をできる限り成立させるとともに、選挙で国民に約束した政策を実践していくことは政権の重要な責務であると認識しております。

しかし法案が見送りとなった今、大荒れとなった法案審議などの時間が不要不急の時間だったともいえそうだ。

国家公務員ごと見送りになったことがポイント?

加藤綾子キャスター:
一転見送りとなった背景はやはり世論の反応ということなんですかね。

風間晋解説委員:
もちろん世論もあるんですが、私は国家公務員法改正案と一緒に引っ込めたところに意味があると思います。
それは、次に国会での交渉のテコを温存したと思います。国家公務員の定年延長は人生100年時代を見据えた待ったなしの施策です。それを検察庁法案の捲土重来を期すというところが感じられますがいかがでしょうか。

「Live News it!」5月18日放送