10万円給付金、オンラインは“同じ人が何度も申請可能”
新型コロナウイルスの緊急経済対策として、国が支給する1人10万円の「特別定額給付金」。その申請が一部地域で既に始まっている。
申請はオンラインまたは郵送でできるのだが、郵送においては「定額給付金を『希望しない』に勘違いでチェックをつけてしまう可能性がある」ことを、編集部では既に紹介した。
(関連記事: 10万円給付金の申請で「希望しない」に勘違いでチェック注意…あとで修正は可能? 総務省に聞いた)
さらにオンライン申請でも今、“同じ人が何度も申請できる”システムになっていることに対して、SNS上で問題視する声が上がっているのだ。
「特別定額給付金」のオンライン申請は、マイナンバーカードに関する情報の管理や電子申請ができるWebサイト「マイナポータル」から行うことができるのだが、なぜか、何度も申請が行えるシステムになっている。
当たり前だが、給付金の支給は1人につき1回限り。そのため、Twitter上ではこのシステムに対して疑問の声が上がっているというわけだ。
なぜ、今回のような疑問を抱かれるシステムにしたのだろうか?また、システムの変更は考えていないのか? 総務省・特別定額給付金室の担当者に話を聞いた。
システムは“10人以上世帯の申請”と“誤記入”を想定
――なぜ、“同じ人が何度も申請できる”システムになっている?
まず前提として、「特別定額給付金」のオンライン申請は、マイナポータルの“ぴったりサービス”という、元々ある機能から申請します。
この“ぴったりサービス”に今回、「特別定額給付金」の申請ができる画面を追加しました。“ぴったりサービス”では、給付対象(世帯の人数)の上限を10人に設定していまして、10人以上の場合は1回では申請しきれません。
10人以上の世帯の方を想定して、同じ人が何度も申請できるようなシステムになっています。また、間違えて記入した場合も想定しています。
――このシステムを変更する予定は?
今のところ、変更の予定はありません。
リスト化した情報を目視で確認するなど自治体は対応に苦慮
同じ人が何度も申請できるシステムによって、窓口となる自治体は対応に苦慮しているのだという。5月2日から「オンライン申請」の受付を開始した、東京都世田谷区・広報広聴課の担当者にも話を聞いた。
――これまでの申請件数は?
5月14日現在で2万7000件以上です。
――同じ人が何度も申請できることについて、区民から問い合わせはある?
電話でのお問い合わせは多いです。システムに関することは国が作成しているため、区では答えられないので、国のコールセンターをご案内しています。
――どんな問い合わせが多いの?
「申請が完了したのか不安で複数回申請した」という内容が多いです。
――同じ人が複数回申請した場合のチェックはどうやって行っている?
リスト化したデータ内で、複数回申請した人の情報を確認するなどです。
――そうしたチェックは手間がかかるもの?
データ内の情報と住民基本台帳情報との照合を、複数の職員の目で確認する必要がありますので、手間はかかります。
チェックしないと過払いが生じる可能性も
――チェックしないと、過払いが生じる可能性もある?
申請の重複をチェックせずに、そのまま給付手続きに進めば、過払いが生じます。さらに過払い分の返還請求事務も生じますので、過払いのないようにチェックしています。
――同じ人が何度も申請できるシステム、できることなら変えてほしい?
担当の課内では“申請は一度しかできず、一度申請をした後は申請内容の変更のみを受け付けることができるシステム”であれば、「複数回の入力にはならなかったのではないか」という話はありました。
疑問の声だけでなく、自治体の混乱も招いている、オンライン申請のシステム。定額給付金の支給は急きょ決まったことから、仕方のない部分ではあるかもしれない。
ただ、世田谷区の担当者が提案したように“申請は一度しかできず、一度申請をした後は申請内容の修正のみを受け付けることができるシステム”などへと変更されると、よりスムーズな支給へとつながることだろう。
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