10月4日、早朝の列島に緊張が走った。

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午前7時22分ごろ、北朝鮮は内陸部から弾道ミサイル1発を東の方向に発射。

弾道ミサイルは、過去最長と考えられる約4600kmを飛行。青森県付近の日本上空を通過した後、7時44分頃に岩手・釜石市の東約3200kmの太平洋上、日本のEEZ(排他的経済水域)の外に落下したとみられている。

5年ぶりに発令されたJアラート(全国瞬時警報システム)だが、初めて出された東京都については、誤って発信された可能性が高まっている。

ミサイル影響が市民生活を直撃

2017年以来、5年ぶりに日本上空を通過したミサイル。
各地では緊急無線のサイレンや、避難を呼び掛けるアナウンスが鳴り響いた。

アナウンス音声(青森県・午前7時半ごろ):
ミサイル発射。建物の中、または地下に避難してください。

Jアラートが発信された北海道では、対応に追われていた。

ミサイルの脅威が迫ったのは朝の通勤ラッシュの時間帯で、函館-札幌間を走っていた特急列車が緊急停止するなど、市民生活には大きな影響が出た。

車内アナウンス(@hirakawaeieirayさんtwitterより):
ただいま弾道ミサイル発射の情報が入ったため、発車を見合わせます。

twitter(@hirakawaeieirayさん)の投稿:
みんなのスマホ一斉に鳴って怖かった

札幌市営地下鉄でも運行が一時停止となり、ホームには列車を待つ多くの乗客の姿が。

また、釧路市内の小学校では、児童が一時自宅待機になったが、その後に小学校は再開。児童たちが通学する姿がみられた。

乗客:
JRが30分くらい遅延してて、すごく災難でした。

影響は広範囲に広がり、東北新幹線や北海道新幹線は運転を一時見合わせ、遅れが発生。

ミサイル発射情報を受けた羽田発・新千歳行きのスカイマーク機のフライトレーダーを見てみると、岩手県上空で航路を外れ、クルリと旋回している。
パイロットの判断でミサイルを避けるため、約10分間旋回していたのだという。

「本当に飛んでくる?」対象地域は困惑も…

一方、今回のJアラートをめぐっては、警戒する対象地域が二転三転する事態が発生。

第1報は午前7時27分で、北海道と東京を対象に警戒を呼びかけていたが、その後、7時29分には青森と東京に変更。
さらに7時42分には北海道と青森に対象地域が変わった。

東京都には初めての発信となったJアラート。
対象となったのは、伊豆・小笠原諸島の島しょ部の9町村だったが、今回のミサイルの軌道から離れた地域が対象となったことについて、八丈島の島民は困惑していた。

八丈島の島民:
(警報が)鳴っているということ自体が「何だろうな」って不思議に思いながら、本当に飛んでくるのかな?というのはあるよね

こうした中、松野官房長官はJアラートの情報伝達に問題があった可能性があると明かし、また政府関係者も「出るはずのないものが出てしまった」と述べている。

松野官房長官:
ミサイルに注意が必要となる地域でないにもかかわらず、東京都の島しょ部の9町村にミサイルが発射された旨の情報伝達が行われたものと考えられるため、現在関係省庁において原因等を確認中であります

日本列島を混乱に陥れた北朝鮮のミサイル。
北朝鮮は9月末から立て続けにミサイル発射を続けているものの、以前のように発射映像の公開などは行わず、不気味な沈黙を続けている。

その理由について、フジテレビの鴨下ひろみ客員解説委員は「情報を公開せず、ミサイル開発の程度を明らかにしない方が効果的と判断している」と分析。

10月10日に朝鮮労働党の創建記念日を控える北朝鮮だが、今後、さらに挑発の度合いを高め、近く核実験に踏み切るとの見方が強まっている。

(「イット!」10月4日放送分より)