私がお伝えしたいのは、全米で学校の先生が「給料アップ」を求めてストライキです。
アメリカでは物価が急上昇する中、新型コロナがおさまり、授業が再開して人手不足も不満に拍車をかけています。ストに参加する職員からは「給料が安い」と窮状を訴える声も聞かれ、交渉が長引けば新学期への影響も懸念されます。
ポイントはこちら。日本の春闘より激しい?「アメリカの秋の労使交渉」注目です。
【注目ポイント・記者解説】
首都ワシントンD.C.では会社員の平均年収が6万ドル=日本円にして820万円余りに対し、取材したアメリカン大学の職員は約550万円と大きく下回っている。(1ドル137円計算)
8月、ストライキに参加した職員はFNNの取材に対し、
「学校の教員は市内で最も安い給料だ」
「年収が4万ドル以下の職員もいて、この年では生活できないレベルだ」
と窮状を訴えた。
交渉が長引き子供たちの生活に影響を及ぼしている学校もある。
ワシントン州シアトル郊外にあるケント地区の小学校では、ストライキの影響で新学期の授業が再開できないでいる。(8月29日時点)
州当局が給料を引き上げる案を提示したが「一人当たりの仕事量が増加し、その改善策が示されていない」として妥結の見通しは立っていない。
一方、交渉を勝ち取ったケースもある。
オハイオ州コロンバスの小学校では給料に加え、有給の育児休暇制度の導入や空調システムの機能保障といった仕事環境の改善も勝ち取り、教員たちは学校に戻った。
アメリカ国内では、こうした処遇改善を求める声が大きくなるとともに教員離れも深刻さを増している。