7月10日の「Live選挙サンデー」には、自民・岸田文雄総裁が生出演。自民の大勝が予測される中、物価高対策、国の防衛や憲法改正についてどう考えているのか。出演陣と意見を交わした。

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賃金引上げと貯蓄を投資に向けるのは「セットでやることが大事」

宮根誠司キャスター:
岸田総理よろしくお願いいたします。自民党大勝という予測が出ておりますが、いかがでしょうか

岸田総裁:
選挙の結果、今次々と出ています。まだ途中ですので、最後までしっかり見極めたいと思っています

宮根誠司キャスター:
我々の生活は今一番大きな問題は、物価高だと思うんですね。岸田総理が総裁選で言われたのが、成長と分配と言われた。一方で、イギリスのシティ(ロンドンの金融街)で言われたのが、貯蓄から投資へと言われた。じゃあ、我々どっちなんだと

岸田総裁:
まずは所得を引き上げなければいけない。所得を引き上げることによって出てきた貯蓄については、従来の貯蓄のままにするのではなくして、それを投資に振り向けることも、多くの人たちの可処分所得を広げる意味では大事であると。よって、所得、賃金を引き上げることが基本でありますが、それとあわせて貯蓄を投資に振り向ける。これをセットでやることが大事だということを申し上げた

宮根誠司キャスター:
給料が上がるから貯蓄ができる。貯蓄ができるから、その分を投資に回して。そういう順番ですね

岸田総裁:
貯蓄ですとこの20年間で定期預金、大体1%ぐらいしか金利が出ていない。こんな状況ですが、20年間ならして見るならば、投資の方は2.1倍に膨れていく。こういったことを考えても、所得によって出てきた貯蓄を投資に振り向けていくこともセットで考えることは大事である。こうしたことを申し上げています

エネルギー価格と食料価格の高騰にピンポイントで政策を用意する

宮根誠司キャスター:
一方で、もういろいろな構想を総理が出していらっしゃいますけれども、明日、明後日の生活に困っているんだという方。貯蓄がないんだという方もたくさんいらっしゃって。明日、明後日の物価高の対策というのは総理、考えていらっしゃいますか

岸田総裁:
もちろんです。物価対策については、しっかりと政府が責任を持って、日本の物価高騰の特色、エネルギー価格と食料価格の高騰に対して、ピンポイントで政策を用意する。あわせて、ご指摘の賃金を引き上げる。これがセットでなければならないということで、賃金の引き上げについて昨年来、政策を用意してきた。民間にその流れが広がって、今年の春闘においてはこの20年間で2番目に高い賃金の引き上げの数字は示せた。しかし、物価がどんどん高騰しているわけですから、賃金も引き続き上げていく。これを両方進めていくことが大事だと思っています

宮根誠司キャスター:
恐らく賃金が上がるよりも、物価の方が上がっちゃって。賃金が上がっているのってみんな実感していないと思うんですけれども

岸田総裁:
物価の高騰に対してはしっかりと対策を用意します。あわせて、賃金の引き上げもしっかりと推し進めていきます。この両方があってこそ、今、世界規模の物価高騰を背景とする価格の引き上げが起こっているわけですから、この2つをセットで行うことが大事だと思っています

憲法は中身も「3分の2」に集約できるように努力をしたい

反町理キャスター:
秋の政局、防衛費と憲法の問題を伺いたいんですけれども。岸田さん、これまでの発言の中で憲法においても(議席数が)3分の2になったからといっていいというものでもないと。中身についての一致が必要だと。僕らから言えば慎重な姿勢を示されている。防衛費に関しても、装備・予算・財源とまで言って、簡単に国債費でばんばん賄えばいいという防衛費に対し、歯止めを自ら示されている。秋に向けて、この“弔い合戦効果”も含めて大きな議席を得た上で、憲法と防衛費どのように処理されますか

岸田総裁:
憲法については、従来から言っているように、これは喫緊のそして現代的な課題を自民党としては提案させていただいています。ぜひ推し進めていかなければならないと思います。国会において、大きな賛成の方々をいただくことは大変ありがたいことでありますが、中身においてぜひ3分の2に集約できますように努力をしていきたい。そして防衛費の方については、今、不安定な安全保障環境の中で防衛費をしっかり充実し、国民の命や暮らしを守るために十分な備えをしてもらいたい。これは多くの国民の皆さんの声だと思っています。それに向けて何が必要なのか、そして具体的な積み上げのもとに予算を考えていく。これは、この年末に向けてしっかり進めていきたいと思っています

(「Live選挙サンデー」7月10日放送分より)

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