花き団体が「母の日」ならぬ「母の月」を提案

ゴールデンウイークもまもなく終わり、続いてやってくるのが「母の日」。

母親に日頃の感謝を伝える記念日で、日本では5月の第2日曜日に当たる。今年は5月10日となることから、この日に合わせて花を贈ろうと準備している人も多いことだろう。

母の日といえば、カーネーションが定番(画像はイメージ)

その計画を実行する前に、知ってほしいことがある。実は今年に限り、「母の日」ではなく5月いっぱいを「母の月」として考えてほしいとのお願いがされていることをご存じだろうか。

このキャンペーンは、花き業界の9団体で構成される「日本花き振興協議会」からの提案。

新型コロナウイルスが感染拡大していること、それにより全国に緊急事態宣言がだされていることを受けて、生花店スタッフなどの安全を守ろうと、4月24日に発表されたものだ。

母の月特設サイトでは、花言葉の意味が分かるコンテンツなどが用意されている

キャンペーンを紹介する「母の月特設サイト」も1日から公開されており、母の月に贈ってほしい季節の花々、花それぞれの「花言葉」などが分かるコンテンツも用意されている。期間中は、多数のアーティストやインフルエンサーなどともコラボする予定だという。

アンケートでは5割以上が「母の月」に賛成

そんな今回のキャンペーンはどう受け止められているのだろう。

ロスフラワー(廃棄される花)の削減に取り組む企業「RIN」が、企業アカウントのフォロワーにSNSでアンケート調査したところ、以下のような結果が出ている。(集計期間:4月24日~4月25日、回答者:184人、回答形式:一部質問で複数回答可)

・「母の月」と聞いて正直どう思いましたか?
「良い施策だと思うので賛成」(57.1%)
「どちらでも良い、気持ちは同じ」(21.7%)
「やっぱり5月10日の方がしっくりくる」(17.9%)

・母の日はどのように過ごすことが多いですか?(複数回答可)
1位「カーネーション等のお花をプレゼントすることが多い」(65.2%)
2位「お花以外のモノ(日用品やアクセサリーなど)をプレゼントすることが多い」(45.1%)
3位「離れて暮らしているため、中々一緒に過ごせない」(27.7%)

・母の月として31日間が母の日となりますが、どう過ごしたいですか?
1位「カーネーションなどのお花を、配送が集中するのを避けつつ5月中に届けたい、または5月中に渡したい」(51.6%)
2位「5月中の都合の良いタイミングで何かしたい」(35.3%)
3位「お花以外のモノ(日用品やアクセサリーなど)をプレゼントしたい(22.3%)


調査結果からは、母の月というアイデアがおおむね好意的に受け止められていること、配送が集中するのを避けてプレゼントを渡そうと考えている人が多いことが分かった。

廃棄される花たち(提供:RIN)

RINの担当者によると、新型コロナウイルスの影響で花農家もつらい状況が続いていて、とある生産者は1週間に5000~8000本の花を廃棄しなければならない状況だという。

続いて、花き業界の現状や「母の月」を提案した理由について日本花き振興協議会の担当者に伺った。

母の日では生花店で「3密」の危険性

――なぜ、母の日を「母の月」にしようと考えた?

母の日は花き業界にとって、年間で最も大きなイベントです。例年なら、数日前から生花店の店頭はにぎわい、フラワーギフトなどを郵送する宅配便の受注も増えます。ただ、こうした状況が、今年は「3密」を招きかねない状況にあります。

生花店で働くスタッフの健康を守るため、今年に限っては母の日を1日だけではなく、1カ月間に分散していただけないかと、理解を求めていくことにしました。


――新型コロナウイルスで業界はどうなっている?

一般的な生花店では、営業日や営業時間を減らしているところが多いようです。生花店自体は休業の要請対象に入っていませんが、商業施設の一角にあることが多いため、商業施設が休業をすると休まざるを得ない状況にあります。

また、生産者も苦労しているようです。春であることや母の日を迎えることから、多くの花はこの季節に生産のピークを迎えます。そうした花が行き場を失っているのが現状です。

ただ、今だからこそ花を飾ろうという人もいて、自宅用の花の需要は増えています。業界全体としては悲観しているわけではないですが、一刻も早い終息を望んでいる。そして、母の日商戦が終わった後をどう乗り切ろうか考えている状態と言えます。


――生花店が3密になってしまうのはなぜ?

生花店は大型店舗というものがほぼなく、店内も狭いため、母の日とその前後数日間はレジ前などに人が集まってしまうためです。ここを避けなければいけないと感じました。
 

生花店は小型店が多く「3密」になりやすいという(画像はイメージ)

――店舗からはどんな声が出ている?

感染を恐れて接客を怖がるスタッフが多いです。そのため、小売店などと同じように、レジ前にビニールシートをつるしたり、消毒液を配置したりしているといいます。少しでも3密を避けようと、店内に入れる人数を調整しているところもあります。


――来客を分散させるための取り組みはある?

花き業界全体で「STAY HOME with FLOWERS」という合言葉を作り、家の中で過ごしてもらうことをお願いしています。母の月については、告知用のポスターを全国の花市場に用意して、そこで受け取れるようにもする予定です。
 

バラやシャクヤクも...母の月ならではの楽しみ方も

――母の月はどう感謝を伝えるのがお勧め?

定番のカーネーションをプレゼントしてもいいですが、5月中旬にはバラやシャクヤクなど、初夏に向けた花も店頭に並ぶので、花選びの楽しみが広がると思います。感謝を伝える期間が1カ月となった、今年ならではの要素と言えると思います。


――例年だと、母の日関連ではどんな商品が人気なの?

定番はカーネーションですが、ここ数年はアジサイの鉢も人気があります。花のボリューム感と見た目の美しさで選ぶ人が多いです。ミニバラも人気ですね。どちらも5月いっぱいは流通しているので、母の月のプレゼントとしても選べると思います。


――最後に、母の月をどう過ごしてほしい?

日本花き振興協議会を構成する団体の一つ、花の国日本協議会では、花や緑が人の心身にもたらす良い効果を「ビタミンF」(FはflowerのF)という造語で呼んでいます。ストレスを感じることの多い状況ですが、お部屋に花や緑があると気持ちが明るくなるので、生活にビタミンFを取り入れて、家の中で健やかに過ごしていただければと思います。
 

母の月だからこそ、バラなどを贈ってみては?(画像はイメージ)

新型コロナウイルスの影響により、今年は大型連休での帰省を取りやめ、家族に会えなかったり、逆にいつも以上に一緒にいたりと特別な状況の人も多いはず。いずれの状況でも花を通じて感謝の気持ちを伝えるのは一つの方法だと思うので、そのときは、母の月が5月いっぱいであることを思い出し、例年とは一味違ったものにしてみてはいかがだろうか。
 

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