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2日に史上最速で優勝マジックが点灯し首位を独走するヤクルト。そんな歴史的快進撃を支えるのが村上宗隆、22歳だ。チームがコロナ禍に見舞われている中、13日の試合でもリーグトップの30号を放った。6月だけで14本塁打と“令和初の三冠王”へとひた走る主砲に直撃、本塁打量産の秘訣を取材した。

最強ヤクルトの4番・村上宗隆に直撃

ーー4番を務めるにあたって1番大切にしていることは?

「4番はいいところで回ってきますし、僕が打たないと負けてしまうというところがあるので、ダメでも最低限の仕事をしようかなと思っています」

4番の使命と責任感を胸に、ここまで30本塁打(7月13日終了時点)と2位の巨人・岡本和真の21本を大きく引き離す。

好調の秘訣NEWバット

まさに絶好調の村上。本塁打量産の理由はバットのとある部分にあるという。

「ヘッドのくりぬきはちょっと変わってますね。バットの出が良くなることもありますし、気分転換にでもと思って変えたんですけど、それが上手くハマりました」

ーーじゃあ軽い気持ちで?

「これで打てなくてもいいやと思ってトライしました。これが完成形ではないので追求していきたいと思っています」

好調の秘訣「胸郭の柔軟性」

好調を支える新たなバットの秘密を教えてくれた村上は、さらにこんなことを明かしてくれた。

「柔軟性もついてきて、いろんな動きが年々できるようになってきています」

村上がもう一つ要因に挙げた柔軟と打撃の関係性。その真相を探るべく神宮球場での練習を取材すると、ストレッチから本人の言葉通り柔軟性が見てとれる。

トレーナーが明かす柔軟性と打撃の関係

初取材の松﨑涼佳アナウンサー
初取材の松﨑涼佳アナウンサー

では、これが打撃にどう影響してくるのか。村上を2軍時代から知るヤクルトの前田真吾パフォーマンストレーナーに話をうかがった。

ーー柔軟性と打撃には具体的にはどのようなつながりが?

「特に村上が重要視しているのは胸郭の動きだと思うんですけど、そこの改善が1年目から取り組んでいる成果が徐々に出てきて胸郭に動きが出てきたと思います。村上の場合、腕を引いて構えると思うんですけど、そもそも胸の柔軟性がなかったりするととれないポジションです。いわゆる野球用語では『割れ』というのですが、それがしっかり作れるようになってきています」

村上が打撃フォームで重要視するのが胸郭という部分の柔軟性。その理由は「割れ」にあった。

ーー「割れ」というのは具体的にどのような動き

「割れは胸郭の廻旋という動きになるんですけど、スポンジのようなねじれの動きです。筋肉は伸ばされたら縮むという特徴があるので、彼の場合は元々スイングスピードや力はあるので、そこに柔軟性が出てきたことで距離が取れて今まで通りのスイングをしてもスイングが速くなる」

ーー元々村上選手が持っている能力プラス柔軟性だからこそ?

「はい、そう思います」

「割れ」と理想のバットで目指す三冠王

胸郭の柔軟性が出たことで体のねじれが生まれ、バットをより体の遠くに引けるようになった村上。これが打撃の「割れ」。プロ1年目と比べてみても、現在の方がバットをより遠くまで引けている。この時、引き伸ばされた筋肉が素早く収縮することによって、スイングスピードがさらに加速。村上の力強いスイングを生み出していた。村上の本塁打量産の裏にはトレーナーだからこそ知る胸郭の柔軟性と理想を追求したバットへのこだわりがあった。

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7月16日(土)24時35分から
7月17日(日)23時15分から
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