「この3週間で何とか解除して春を迎えたい」

政府が東京など13都県の「まん延防止等重点措置」の3週間延長を決めた中、政府関係者は希望を込めて、こう話した。一方で政府内からは「ピークアウトは全然していない。重症者も増えていて、これからだ」と新型コロナの感染拡大に、危機感を募らせる声も聞こえてくる。

「勝負の3週間」矢継ぎ早にワクチン対策

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3月6日までの「勝負の3週間」のカギを握るのは、ワクチンの3回目接種だ。ある政府関係者は「ワクチンの1日100万回接種が、コロナ対策の出口の見通しと強く関係している」と指摘する。岸田首相は9日も「1日100万回達成のために私自身が陣頭指揮を取る」と話すなど、政府は自衛隊の大規模接種会場の接種人数の拡充や職場接種のペースアップなど矢継ぎ早に対策を打ち出している。

堀内ワクチン接種担当相は10日の記者会見で「追加接種の昨日からの増加回数は85万回となった」と述べるなど、100万回達成に向けて手応えを語る。

「若者にどうすれば響くか研究」

政府は「3回目の接種率を上げるキーポイントは広報」と考えていて、様々な方法で接種を呼びかけている。岸田首相が接種を呼びかける動画をYouTubeにアップするなどしていることに、政府関係者は一定の手応えを感じながらも、「視聴者は40代、50代の男性が多い。どうすれば若者に響くか研究している」と悩みを明かす。

1月に行ったFNN世論調査でも、ワクチンの3回目接種について、「早く接種したい」と回答したのは、70歳以上では5割を超えたのに対し、30代以下では2割を下回った。若い世代にどう訴えかけるかが、「ワクチン接種1日100万回の達成」の成否を握っているとも言える。

堀内ワクチン接種担当相は4日、前任の河野氏とワクチンの3回目接種を呼びかける動画に二人がそろって出演した。今週末も再び「共演」すべく調整を進めている。ツイッターで240万人のフォロワーを持つ河野氏と「再共演」することで、若者を含めて接種を広く呼びかける狙いがありそうだ。

「ワクチン1日100万回」達成で、オミクロン株の猛威を抑えられるか。岸田政権の真価が問われている。

(フジテレビ政治部)

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