開催か否か、有観客か無観客か。ギリギリまで賛否両論が渦巻く中開催された東京オリンピック・パラリンピック。アスリートの活躍に感動と勇気をもらった2021年。しかし日本を沸かせたスポーツは五輪だけではありません。2021年は毎日のように大谷選手の活躍を伝えた一年でもありました。2021年のアスリートの活躍を振り返りつつ、今年も見逃せない注目のスポーツをピックアップします。

外国人記者クラブで会見する大谷翔平選手
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純粋に競技を楽しめるのか?北京冬季五輪

2022年のスポーツですが、大きな大会は控えつつも、引き続き新型コロナウイルスの影響などが影を落とす1年になりそうです。

まずは2月の北京冬季五輪。早々にアメリカが「外交的ボイコット」を表明、オーストラリア、イギリス、カナダなどが追従し、日本もその流れになりそうですが、純粋に競技を楽しめるのか怪しくなってきました。過去には「オリンピック外交」とか、政治的な流れとは別に、アスリートが平和への動きをもたらしてきた歴史もあるだけに複雑な思いです。

オリンピックのボイコットといえば、現JOC会長の柔道・山下泰裕さんのモスクワ五輪ボイコットが思い出されるのですが、あれがもう40年以上前とか....。今回は、選手は派遣されそうなので、あの時のようにはならないようですが、山下会長の取材に行く若い記者に、いつにも増して気を遣うよう伝えた次第でした。

JOC(日本オリンピック委員会)山下泰裕理事

現地北京での取材についても、「バブル」内での取材や毎日のPCR検査など、さまざまな制約がありそうです。スキージャンプ、スノーボードなど、日本勢の好調が伝えられるワールドカップの勢いをそのままオリンピックに持って行けるか、また、けがやコロナの影響で派遣選手の選抜方法が変わるなど混乱に巻き込まれた選手、それぞれ全力を発揮できることを祈ります。

野球の魅力再確認

大谷翔平選手の大活躍や日本シリーズの緊迫した熱戦で野球の魅力を再確認した人も多かったと思いますが、新庄BIGBOSSの動向からも目が離せなくなりそうです。ちなみに「BIGBOSS」の間にはスペースは入りません。言動やファッションに目が行きがちですが、野球に対する向き合い方の真摯(しんし)さは、ここまででも十分に感じさせられています。セ・パ共にリーグ前年最下位チームの優勝だった昨シーズンですが、北海道日本ハムファイターズは、5位からどこまで躍進できるでしょうか。

2022年も目が離せない「BIGBOSS」

エンゼルス・大谷選手は、シーズン後半、少々失速した感もあったようにも見えましたが、数少ないインタビュー記事など読むと、さまざまなことを試みていたことがわかりました。今季は大きな故障なくシーズンを過ごして、ぜひ投手として10勝を挙げ、ホームラン王のタイトルも取ってもらいたいと思います。ただ、MLBは労使交渉がもつれ、ロックアウト中。その行方によっては、開幕が遅れてしまうかもしれません。

スポーツ放映権料の課題

4年に一度のFIFAワールドカップもカタールで開催されます。開催地の気候の都合などで11月から12月にかけての変則的な大会日程ですが、日本代表は6月中旬の大陸間プレーオフの前に出場を決めてほしいところです。ここ数大会、日本代表は出て当たり前みたいに思われていますが、そうではなかった時代も長かったのです。日本ではサッカースタジアムの観客制限を天皇杯準決勝から撤廃したりとの流れですが、本大会の頃は満員の熱狂のスタジアムになるといいですね。

われわれテレビ局でスポーツを扱う人間にとってあらがえない動きは、スポーツの試合がオンラインメディアでしか見られなくなってきている流れです。放映権料が高くなりすぎて、FIFAワールドカップ・アジア最終予選の日本のアウェー試合は、地上波で放送できるところがなくなってしまいました。女子ゴルフやボクシングも同様の流れです。お金を払ってでも見たいファン層にブレはないでしょうが、ライトなファン層へのアピールはどうしても弱くなり、ひいてはファンの数が先細りしてしまうと思うのですが、これによってアスリートの待遇がよくなる一面もあるかと思われるので、悩ましいところです。

2022年 部長の注目種目は・・・?

最後に個人的に注目するものです。

東京オリンピックの卓球男女混合ダブルスの金メダルは印象的でしたが、卓球に限らず、柔道の男女混合団体戦やフィギュアの男女混合チーム戦など、男女混合競技が今後面白くなるとみています。

 

また中国女子プレーヤーの問題でWTA(女子テニス協会)の対応も気になりますが、31歳になった錦織圭選手も子どももできて、精神的には充実していると思うので、グランドスラム大会優勝はともかく、悲願のATP1000初優勝は見てみたいところです。

テニス元女子ダブルス世界ランキング1位の彭帥選手と話をするバッハ会長(IOCのHPより)

あと、M.フェルスタッペンの年間王者で有終の美を飾ったホンダが2021年限りで撤退したFormula 1も大きくレギュレーションが変わり、勢力図がどのように変わっていくでしょうか。「カーボンニュートラル」への集中がホンダ撤退の理由の1つでしたが、いつまで今のようなパワーユニットでのレースイベントが許されるのか、新たなフェーズに入っていくのは間違いないでしょう。2年続けて鈴鹿サーキットでの日本グランプリが中止になりましたので、ことしこそは三重のおいしいものを堪能して、伊勢参りもできることを夢見ています。

スポーツが世の中を少しでも明るくしていきますように。

【執筆:フジテレビ 報道スポーツ部長 久永】

久永一成
久永一成

フジテレビ報道局 報道スポーツ部長

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