12月12日の福岡市天神。師走の往来の中、街頭で募金を呼びかけたのは、病気や災害などで親を亡くした学生を支援する「あしなが学生募金」だ。

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活動は1970年に始まり、毎年2回、全国で街頭募金が行われてきた。しかし、新型コロナの影響で2019年10月から中止となり、この日、2年ぶりに再開されたのだ。

1991年の街頭募金の様子

あしなが学生募金事務局 幸喜健二さん:
街頭募金に立つことによって、この2年間、訴えることができなかったことを訴えることができた

だが今、あしなが育英会はコロナ禍で窮地に立たされている。

寄付額が足りない…コロナ禍で奨学生は過去最多に

あしなが育英会 西勇飛さん:
今まで積み立ててきたものを切り崩して予算にしていたりするので、厳しい状況にはなっていますね

育英会によると、コロナ禍で奨学生の数が増加。2021年度は約8400人と過去最多となっている。

その一方で寄付金が足りていない現状も浮かび上がる。

奨学金の総額が寄付額を上回る年があり、2021年度の寄付額は11月末時点で28億円となっている。寄付金が足りず、資金繰りが厳しくなっているのだ。

休校でかさむ食費 経済的困窮で中退する学生8割増

あしなが学生事務局 西村元希さん:
正直、お金は厳しかった。コロナの影響で家計が回っていない

あしなが学生事務局に所属する西村元希さん。

小学1年生の時に父親を亡くし、高校から奨学金を受けているが、2020年はコロナ禍で厳しい1年だったという。

あしなが学生募金事務局 西村元希さん:
僕と中学校3年生の弟がいるんですけど、ものすごく食費がかかった。給食代は支払わなくてよかったので、(休校中は)給食じゃなかった分、お金がかかっていた

2021年、音楽関係の専門学校に進学し、現在は月に7万円の奨学金を受けている西村さん。

100万円以上する学費の支払いや1人暮らしの生活費にあてていて、奨学金が減ると生活が厳しくなるという。

あしなが学生事務局 西村元希さん:
奨学金はとても大きい存在です。お金が足りていない話は聞いていて、2021年と2020年は募金活動ができていなかったので、再開できたことはとても大きかったと思います

文科省の調査によると、2021年4月~8月にコロナの影響で全国の大学、短大、高専を中退した学生は701人で、前年同期比で8割増加。休学している人は4418人で、前年同時点より1741人も増えている。

主な理由は経済的困窮。保護者の収入が激減したり、緊急事態宣言が続いてアルバイトができなかったりなど…。

支援が届かなくなり学びの機会が失われることは、避けなければならないことだ。

(テレビ西日本)

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