大阪の冬の風物詩、御堂筋イルミネーション。
街を美しく彩るLEDライトの数は約130万球。梅田から難波までの光の道は約4キロにわたり、ギネス世界記録にも認定。
2020年はコロナの影響で来場者数が大きく減ったものの、それまでは右肩上がりに増えていて、2019年には過去最高の578万人の来場者を記録した。

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この時期、各地で開催されるイルミネーションイベントの数は年を追うごとに増えていて、規模も演出も競い合うようにグレードアップ。
カップルや家族連れなど幅広い世代に愛される、定番の観光スポットになっている。

1670万色のフルカラーで点灯可能

年々盛り上がりを見せるイルミネーション。一体なぜこれほど人気が広がったのか。
そのヒミツを探るため、まずやってきたのは大阪・河内長野市にある「花の文化園」。
園内の美しい花々や景観を生かして、エリアごとに工夫を凝らした演出が楽しめるイルミネーションイベント。
幻想的な光景に子供たちも大はしゃぎ。

イルミネーションの魅力は、何といっても見る人の心を惹きつける美しい輝き。
園内のイルミネーションを手掛けた会社にその仕組みを聞いてみると…

トライト 山田康生社長:
光の三原色なんですけど、赤色・青色・緑色の3つのLEDが重なって、今1670万色のフルカラーで点灯できるようになっています。

大阪の守口市に本社を置くトライトは、国内シェアNo.1を誇るLED照明のメーカー。
実はLEDをイルミネーションにいち早く取り入れたパイオニアである。

トライト 山田社長:
(LEDが登場した時は)すごく1個の値段が高かった。例えば白熱球が1個10円だった時代、LEDは約500円しました。すごく価格差があったんですよ。ここのエリアだけでも20~30万円かかるような、それくらい価値のあるLEDだったんですけど、いずれ値段が下がるだろうと思って試作を作りました

そもそも日本にイルミネーションが登場したと言われるのは明治時代。
一説には、神戸沖で行われた軍艦の壮行式で船を発光させたことが始まりとされていて、お馴染みのイルミネーションを街で見かけるようになったのはバブル期の頃から。
当時は白熱球による単調な光だった。

しかし、青色LEDなどの登場やその後の技術の進化で、色の表現の幅が格段にアップ。
電気代などコストの面でも優れるLEDは、イルミネーションに欠かせない存在となった。
そして近年は、その演出技術も進化していて…

トライト 山田社長:
今電子制御で通信しているんです。1個1個赤色に光りなさい、青色に光りなさいというのをパソコンで制御を行っています。だから場所によって様々に色が変わってるんです

ほかにも、LEDを敷き詰めた大型ビジョンで映像のような表現や、音や照明などと組み合わせた迫力ある演出も。
LEDの進化に加え、高い演出技術がイルミネーションをより魅力的に輝かせていた。

山田社長:
イルミネーションを始めた当初は、こんなことは考えつきもしなかったですし、自らできるのは光栄だと思っています

イルミネーションは閑散期の「希望の光」

ところで、イルミネーションが盛り上がるのは決まって冬の時期だが…

気象予報士 片平敦さん:
冬場の方が、気象の観点からもイルミネーションには適している時期だと言えると思います

気象予報士の片平さんによると、冬は湿度が低く空気が澄んでいるため、遠くまでキレイに見ることができるそうだ。

気象予報士 片平敦さん:
今の時期は紅葉も終わって葉が落ちてきた木も多く、木が眠っている状態。そこにごめんねと言って飾りつけをすると、木への負担が小さいので今の時期に適していると言えます

また、冬にイルミネーションが行われるワケは他にも。
滋賀・米原市にある「ローザンベリー多和田」は、昼間はイングリッシュガーデンを営業する観光施設。
その広大な敷地を生かした、関西最大級のイルミネーションイベントを2020年から始めている。

ローザンベリー多和田 大澤健社長:
真冬が一番の閑散期ですので、何をしても客が来ないっていうのが、冬場の湖北の観光の難しいところだったんです。(新型コロナの影響で)夏場に落ちた分を、冬なんとか。どうせ冬閑散期なら何かしようってことで

イルミネーションの集客効果に目を付け、どうせやるならとLEDライト100万球を使った大規模なイルミネーションを設営。
設置費用に数千万円、電気代などのランニングコストも月に40万円ほどかかっているそうだが、その集客効果は想像以上だった。

ローザンベリー多和田 大澤健社長:
例年ですと8万人、冬のご利用があるんですけど、昨年イルミネーションを始めて、昼・夜合わせて14万人の方に楽しんでいただいております

イルミネーションを始めたことで施設を知るきっかけも生まれ、昼間の営業やレストランなどの売上もアップ。冬の閑散期の経営にも希望の光が灯ったようだ。

担当者「イルミのこと1年間考えている」

一方、大阪のひらかたパーク。

薄田ジュリアキャスター:
園内キレイにライトアップされています。やっぱりこの時期、テーマパークにイルミネーションは欠かせませんよね

2021年で8回目を迎えた恒例の「光の遊園地」。
冬の営業期間の売り上げアップに貢献している特別なイベントになっていて、ほかのアトラクションに比べてコストや労力も大きいが、毎年少しずつ規模や演出を増やしてきた。

ひらかたパーク 田中逸馬さん:
毎年、例年を超えるというのをテーマにしておりますので、12月くらいから来年のことを見据えて。もう1年間ずっと、来年はどうしようと考えています。(コロナ禍で)やはりなかなかコストを大きくかけるのができないということがあったので、光の遊園地に関してはクラウドファンディングを実施しました

今回初めて企画したクラウドファンディングでは、支援金の達成額に応じて新しいエリアの設置などを考えていたが、結果は残念ながら達成には至らなかった。
それでも諦めず、少ない予算の中でメインツリーの演出を増やすなどして、2020年との違いをなんとか見せるよう努力したそうだ。

薄田キャスター:
今後はどういったイルミネーションの展開を考えていますか?

ひらかたパーク 田中逸馬さん:
やはり前年よりも、より良いものを提供するということをきちんと念頭に置きまして、ひらかたパークの魅力を再発見してもらえるいい機会になりますので、常に満足してもらえるものを提供したいと思っています

(関西テレビ「報道ランナー」 2021年12月7日放送)

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