使い捨てライターやリチウム電池など…意外と多い発火性ごみ

年末の大掃除。ごみを出す時に間違った捨て方をすると、火災が起きる可能性がある。特に注意が必要なのはスプレー缶だ。正しい捨て方をしないと思わぬ事故に繋がりかねない。

名古屋市消防局の担当者:
スプレーのようなものが「不燃ごみ」として出されて、ゴミ収集車の火災が増えています

名古屋市では2020年の1年間、ごみ収集車が燃える火災が20件発生。その原因の多くが「スプレー缶」だった。

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スプレー缶が分別されずにごみ収集車に紛れ込んだ想定で行われた実験の映像を見ると、スプレー缶が押しつぶされて、瞬く間に火の手が上がった。

ごみ収集車の火事は名古屋市の統計によると、年末の大掃除シーズンにあたる12月が最も多い。

名古屋市消防局の担当者:
スプレー缶に含まれるLPガスは非常に危険で引火性が高いものですので、ひとたび着火すれば大きな火災になる可能性があります

名古屋市での正しい捨て方とは?

名古屋市消防局の担当者:
使い切ったと思っていても中身が残っている可能性があります。振って確認していただき音で確かめていただいて、中身が残っている際は、風通しの良い屋外で完全に抜き切っていただく必要があります

まず重要なのは、風通しの良い屋外で行うこと。室内でガス抜きをすると、コンロや給湯器などに引火し燃え広がる恐れがあるからだ。

名古屋市消防局の実験でも、スプレーの噴射は少量であってもコンロの火に引火することが分かっている。

そして、スプレー缶の中に残っているガスは完全に出し切ること。シューという音がしなくなるまでガスを出し切るのがポイントで、名古屋市では穴はあけなくてOK。

缶を振ると再びガスが出ることもあるため、「出して」「振って」を繰り返した方が良いとのこと。

捨てる時は、中が見えるよう透明か半透明の袋に入れる。名古屋市ではジュースなどの空き缶と一緒に入れるのはNGだ。

正しい捨て方を守れば、防ぐことのできる火災…。

名古屋市消防局の担当者:
皆さま年末を迎えるにあたり大掃除をされると思いますので、火災によるケガなど事故を防ぐために、ぜひ分別はしっかりして年末を迎えてほしいと思います

自治体のルールを要確認 「発火性危険物」にも注意

名古屋市は「穴をあけず」、中身を出し切って「缶とは別の袋」に入れ、「可燃ごみの日」に出すとなっている。

岐阜市は「穴をあける」必要があり、捨てる時は「缶と一緒の袋」に入れるとなっている。穴をあけるのが心配という人向けには、月に一度、公民館で回収してくれる。

三重県桑名市では「穴をあけず」、「資源ごみの日」に袋ではなく「専用の回収箱」に入れるとなっていて、ルールは自治体により様々。お住まいの自治体で改めて捨て方を確認する必要がある。

また、ごみを分別するのは当然のことだが、スプレー缶のように安全上の観点からも特に気を付けるべきものについて、名古屋市では「発火性危険物」として次のようなものを対象としている。

・カセット式のボンベ:スプレー缶と同様
・使い捨てライター:中身を使い切る
・電子たばこ:そのままごみ袋の中へ
・リチウム電池:両極をテープで絶縁してから捨てる(モバイルバッテリーなどに使われているリチウムイオン電池とは異なる)

これらも自治体によってルールが異なる場合があるので要注意だ。

※画像はnite提供

(東海テレビ)

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