宮崎県は2021年度、県内企業とスタートアップ企業との連携を図り、新たなビジネスモデルの創出を目指す事業を始めた。この事業に参加する企業を取材した。

漁業や小売業など4社が参加

この事業は、県内企業をデジタル技術に精通した全国のスタートアップ企業と結びつけることで、県内企業が抱える課題を解決し、新たなビジネスを生み出そうというもの。

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今回、県内企業には漁業や小売業などを営む4社が公募で選ばれた。

近海かつお一本釣りの漁獲量で27年連続日本一を誇る日南市からは、漁船を操業する「浅野水産」が参加する。

日南市は近海かつお一本釣りの漁獲量、27年連続日本一を誇る

浅野水産では、これまで漁師の勘と経験のAI化に取り組むなど、漁業へのデジタル技術の導入を積極的に進めてきた。

漁業にデジタル技術を導入

今回は「沖合でのオンライン通信環境の構築」「テクノロジーを活用した船舶の機関業務の効率化」「テクノロジー活用による水産バリューチェーンの再構築」の3つを大きなテーマに、パートナー企業を募集する。

デジタル技術導入で魚の価格安定へ

浅野水産の浅野龍昇氏は、今回の募集テーマを全国の水産事業者が抱える課題だと話す。

浅野水産 経営企画マネージャー・浅野龍昇さん:
データ通信の課題は、AIをやっているうちが特殊なわけでなく、同じことを課題感に持っている漁師さんは多い

浅野水産 経営企画マネージャー・浅野龍昇さん

浅野水産 経営企画マネージャー・浅野龍昇さん:
かつお一本釣り日本一の県の同じ漁師さんたちが、課題として困っているのだったら、一つの県の事業として成立するなら、一気に普及推進できる

沖合でのオンライン通信が可能となり技術革新が進めば、日本の漁業が抱える水産資源の保護や魚の価格安定化、漁師の高齢化などの課題の解決にもつながり、漁業の明るい未来も見えてくる。

浅野水産 経営企画マネージャー・浅野龍昇さん:
魚を一定数残せば、必ずそれ以上のタマゴを生む。この更新性を維持するということが、いわゆる漁業のサステナブル(持続可能)。データ通信もしかり、どこで何トン釣ったということが明確に分かったりとか、トレーサビリティ(追跡可能性)がしっかり制度として成立していくことによって、日本の資源がちゃんと管理されて、漁師さんがもうかるようになる

 

新たなビジネスの創出や課題解決に向け挑戦する今回の事業。パートナー企業の募集は10月29日まで行われ、企業の決定後に実証実験を行い、2021年度中の事業化を目指す。

県によると、今回の事業費は約2500万円。採択されたアイデアの実証実験に対し、1社あたり最大で50万円が支援されるという。

(テレビ宮崎)