まるで写真のようなリアルな絵が話題になることはよくあるが、そこに一工夫を加えた驚きの作品が登場し、ネット上で大きな注目を集めている。
「色鉛筆でファンタ描きました!!」
というコメントとともに、慧人(Yassun0222K)さんが2019年12月29日に投稿したのは、白い紙の上に置かれた1本の「ファンタグレープ」。
本当に絵なの?と思うほど缶の光沢や影などがリアルに描かれている。
これだけでも見事な絵の技術だが、慧人さんは続けて、わずか4秒の“ちょっと面白い動画”を投稿。
紙の上のファンタの缶を指で軽く弾くと、絵と思っていた缶が動き出し、そのすぐ下からなんと先ほど見たファンタの絵が姿を現したのだ。
どうやら、絵の上に、本物のファンタの缶を乗せておき、“幽体離脱”のように錯覚させたようだ。本物の缶と絵のサイズなども全く違和感なく見事としかいいようがない。
この遊び心あふれる映像に対し、「目がバグったかと思った それくらい違和感がない」「なんか脳が混乱します!」「つまりコレって大きさも全く同じって事か…。当たり前だけど凄い!」と、戸惑いと称賛に満ちたコメントが殺到。
動画が約45万回も再生されたほか、約2.7万のいいねを集めている。(2020年1月10日時点)
作者の慧人さんはなんと高校2年生で現在16歳の色鉛筆作家。過去にも、本物にしかみえないコカコーラのボトルやサングラスの画を描き、Twitterではすでに注目を集めていた。
どの絵もまるで本物にしかみえず、どうやってこの画力を習得したのか?慧人さんに話を聞いてみた。
「全て独学です」
ーー絵はいつ頃から描いているの?
画自体は中学3年生の後半からですが、色鉛筆で立体画を始めたのは2018年の4月くらいからです。
ーー絵を始めたきっかけは?
部活を引退した後で時間があったというのもあるのですが、自分自身が体調を壊してしまい家にいる時間が増えて、何かしようと思った時に絵を描こうと考えました。
ーー絵は全部独学?
全て独学でやらせていただいています。
ーー主に普段どんな画材を使っているの?
色鉛筆と鉛筆のみです。ほかの画材も触ってみたいとは考えています。
ーー今までにどのくらいの数の作品を描いている?
Twitterに載せてないものも合わせて、50作品くらいだと思います。
ーー今回、絵のテーマにファンタを選んだ理由は?
特に深い意味はなくて、ただ好きだからです(笑
作成時間は約30時間くらい
ーーファンタの缶のサイズだが、実際の缶を合わせているの?
合わせました。
ーー今回の絵の作成には、どのくらいの時間がかかっている?
約30時間くらいです。
ーーこの絵を描く上で工夫した点、苦労した点を教えて?
実際のファンタの色と同じ色にするためにだいぶ時間を使いました。
ーー動画を撮ろうと考えたのはなぜ?
元々撮る予定はなかったんです。面白そうだなと思って試し程度で撮りました。
友人たちの反応には「素直にみんな驚いてくれて満足」
ーーご両親や周囲の友人は絵を描いていることを知っている?
親と仲のよい友人は知ってると思います。
ーーでは、今回の作品についてはなんと言っているの?
素直にみんな驚いてくれて満足しております(笑
ーー大きな反響を呼んだが、どのように受け止めている?
画を描く前はここまでいろんな方に自分のことを見ていただく機会がなかったので、嬉しさ半分、驚き半分という感じです。
ーー作品をいずれまとめたり、販売したいという希望はあったりする?
まとめることはないと思います。頼まれたご依頼には、企業でも個人でも応えていきたいなとは考えております。
ーー最後に、次回作の構想は?
構想はないです…。描きたいと思った時に描きたいと思います!
コカ・コーラの担当者「発想もユニークでとてもおもしろい」
そして今回の題材となった「ファンタ」の販売元である日本コカ・コーラの広報担当者にも話を聞いてみた。
ーーこの絵について、知っていた?
関知しておりませんでした。
ーーこちらの絵を見た感想は?
「ファンタ」のパッケージで描いている果実のみずみずしさまでも表現されており、完成度の高さが素晴らしいと思います。さらに動画が幽体離脱のように撮られており、発想もユニークでとてもおもしろいと感じました。
ーー作者は「頼まれたご依頼には企業でも個人でも応えていきたい」ともコメントしていたが?
このように才能を持った若い方を、「ファンタ」として応援していきたいと思います。今回の投稿も、Twitter公式アカウントからリツイートさせていただきました。
ファンタの担当者も「才能を持った若い方を応援していきたい」と語っていたが、将来が楽しみな高校2年生の慧人さんの次回作にも期待したい。
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