子どもの感染者増加 教職員の”優先接種”加速を

新型コロナウイルスをめぐっては、夏休み頃に、流行の中心が「デルタ株」にほぼ置き換わった。その結果、若年層にも感染が広まり、全国の小・中学校などでは、夏休みの延長や臨時休校などの対応に追われた。

文科省によると、休校措置を取ったのは、9月1日時点で小・中学校で約12%、高校で20%弱にのぼり、13日時点でも、依然、3~4%の学校が授業を再開していなかった。

教職員に対する優先接種は83.7%の自治体で実施されている(写真はイメージ)
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文科省は夏休み前から、教職員などへの優先接種を各自治体に呼びかけていた。9月1日時点で、全国の教育委員会を通じて調べたところ、回答のあった自治体の83.7%で優先接種が実施されていた。そもそも12歳未満はワクチン接種ができない。教職員などへの優先接種を進めて、子どもへの感染防止に努めて欲しい。

子どもの接種は”手探り” 不適切な対応も

8月からは、ファイザー社製に加えて、モデルナ社製ワクチンも、接種対象が12歳以上に引き下げられた。夏休み中に、子どもの接種を進めた自治体がある一方で、我が子のワクチン接種について悩む家庭も少なくないだろう。そんな中、東京・国立市の中学校などで、夏休み明けにワクチンを接種したかについて生徒に挙手させて確認するなど、不適切な対応が複数確認された。

萩生田大臣は、子どもとワクチン接種についてプライバシーに配慮するよう求めた(17日)

萩生田文部科学大臣は17日の記者会見で、「接種を受けるか受けないかは本人の希望で、保護者の同意を前提としている。学校で接種の有無によって差別やいじめが起きることがないよう指導や配慮を行うことが重要」と訴えた。

受験シーズンと「冬場の第6波」が重なる懸念も

9月27日からは大学入学共通テストの出願受付が始まる。しかし来たる受験シーズンと「冬場の第6波」が重なる恐れもあり、先を見据えた対応が急務だ。

共通テストの本試験は年明け1月15日・16日に行われ、追試験は2週間後の1月29日・30日に予定されているが、不安を感じている受験生も少なくないはずだ。大学入試センターは、受験生に常時マスク着用を義務づける一方、濃厚接触者に当たる受験生は、無症状でPCR検査が陰性であることなどを条件に別室で受験できるようにするという。

大学入学共通テストは1月15日・16日に行われる(写真はイメージ)

人生の岐路に立つ「受験生」をコロナから守るには

萩生田大臣は14日の記者会見で、職域接種も含めると10月10日までに、12歳以上の約9割に相当する分量のワクチンが全国に配送予定であることを明らかにした。その上で、接種を希望する受験生も速やかに接種を受けられるよう、各自治体に「特段の配慮」をお願いした。文科省としても関係省庁と連携しながら必要な取り組みを行っていくという。

「冬場の第6波」と受験シーズンが重なることが懸念されている。

また文科省は「受験生に配慮した」取り組みも参考事例として紹介している。静岡県富士市では、高校3年生で大学入試など早期に接種を希望する場合、個別に接種券を発送。兵庫県姫路市では受験や就職試験に臨む高校3年生が優先的に接種を受けられる「受験生優先DAY」を設け、専用の会場を手配するという。「受験生」をコロナから守るため、さらに知恵を絞って欲しい。

(フジテレビ社会部・文科省担当 川田梨江子)