新型コロナウイルスは治療した後も長い間、症状に悩まされる場合がある。そんな後遺症について、コロナ治療の最前線に立つ近森病院の医師に高知の現状を聞いた。

肺に障害が残り自宅で酸素投与が必要に

新型コロナの脅威の一つ「後遺症」。症状として挙げられるのは、呼吸機能が低下するなどの呼吸器の症状や、味覚や嗅覚の障害といった神経系の症状。

ほかにも鬱や不眠となって表れる精神疾患や、内臓の不調でずっと下痢が続く症状などが報告されている。

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中等症や重症の患者を受け入れている高知市の近森病院では、患者からウイルスが検出されなくなった後も、最低3カ月は診察をするなどして、経過を追っている。

治療にあたっている感染症内科の石田正之医師によると、退院後も症状が残る人が年代を問わず数多くいるという。

近森病院 感染症内科部長・石田正之医師:
治療後3カ月目ぐらいの時点としても、何らかの小さいものも含めて、後遺症が残る方が3分の2ぐらいの割合でいらっしゃる。非常に多いと言わざるを得ない

実際に近森病院で治療した患者の中には、治療後も肺に障害が残り、酸素が十分に吸えず自宅で酸素投与を続けなくてはならないケースがあった。

後遺症は軽症患者でも…基本対策の徹底を

後遺症は感染時の症状が重いほど出やすい傾向にあるが、軽症であったとしても油断はできない。

近森病院 感染症内科部長・石田正之医師:
軽症でも結構な割合で後遺症が出ると海外でも報告されている。それを予防するのは、コロナにかかったらなかなか難しい。一番の予防は、かからないということ

高知県内の新規感染者は減少傾向にあるが、石田医師は気の緩みが再び感染者の増加を招きかねないと警鐘を鳴らす。

近森病院 感染症内科部長・石田正之医師:
もっと大きな波が起こる可能性も十分に考えられる。そういう時は病院が持ちこたえられるか、絶対大丈夫ですとは言えない。まずは日頃の感染対策を継続していかなければならない

新型コロナの治療後、体の不具合が続いていて後遺症が疑われる場合は、治療をした医療機関や担当の保健所に相談してほしい。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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