茨城県境町で4月から常時運行開始
茨城県の境町が、ソフトバンク傘下のSBドライブと連携し、自律走行バスの常時運行を4月からスタートする。
茨城・境町の橋本正裕町長
5年後の未来としては、誰もが生活の足に困らない町を目指します。
11人乗りのバスには、運転席はなく、走行は遠隔監視による自動運転だが、車庫入れや緊急時の対応などを行うスタッフが2人乗車する。
自律走行バスを導入する境町は、利根川流域に位置する人口2万4,000人の町。
高齢化にともなう免許の返納者の増加や、バスやタクシーのドライバーの不足などの課題を抱えている。
茨城・境町の橋本正裕町長
住民にとって便利な公共交通網をなんとかしてくれとずっと言われてきた。例えば、朝方のスクールバスもそう、昼間の時間帯の買い物もそう。
病院・郵便局・銀行などに無料で町民を送迎
今回、バスが走るのは町の中心部を通る往復5kmのルート。
病院や郵便局、銀行など、生活に欠かせない場所を回り、無料で町民を運ぶ。
境町は、このバスを3台導入予定で、新たな町民の足として期待がかかる。
SBドライブ・佐治友基社長
2030年までに1万台の自動運転バスを日本国内で普及させたい。過疎の村や人口が減少している地方の町で使っていただけたら。
街全体での監視態勢も…“完全無人化”に向けた課題
三田友梨佳キャスター
いよいよ4月からということですが、どうご覧になりますか?
津田塾大学・萱野 稔人教授
今後、過疎化や人手不足の問題に直面する自治体では、こうした自動運転の導入は避けられない動きだと思います。ただ、その時に完全な無人化を目指すのであれば、これまで運転手が担ってきた運転以外の業務にどう対応するかが問題になります。
例えば急病人が出たときにどうするのか。あるいは車内で暴力や痴漢があったときにどう対応するのか、こういったことが問われてくると思います。
三田友梨佳キャスター
乗客の安全をケアするためにはどんな対策が考えられますか?
津田塾大学・萱野 稔人教授
カメラを使って遠隔で監視の態勢をつくっていくことが第一だと思いますが、車内だけの遠隔システムでは十分ではないと思います。暴力があって誰かが逃げた場合、街全体で遠隔の監視の仕組みを整えていくとなると、我々がこれまで見ていた街の風景とは変わって行かざるを得ない。
それで人口減少問題に対応する必要があるということで、我々自身がしっかり受け止めていけるかどうか、そういったことも課題になってきます。
三田友梨佳キャスター
そうですね。課題はありますが、人手不足や交通インフラの課題を考えると大きな一歩となると思います。特に高齢者の地域の足として期待が高まります。
(「Live News α」1月27日放送分)