新たに7競技で「混合種目」採用
水谷隼・伊藤美誠が「金メダル」を獲得した卓球の男女混合ダブルス。伊藤選手の強烈なバックハンド、フォアハンドが時に男子選手を圧倒。
この新種目に注目が集まった。今回のオリンピックでは卓球、競泳、陸上などの7競技で混合種目が新たに採用されている。
男女混合種目が増えた背景にあるのは、IOC(国際オリンピック委員会)が「ジェンダー平等」を掲げているからだ。
「日本のスポーツ報道にはバイアスがある」
26日、大会組織委員会のジェンダー平等推進チームのアドバイザー・井本直歩子さん(元競泳アトランタオリンピック代表でユニセフの教育専門官(休職中))は、IOCのジェンダー平等のための「表象ガイドライン」の会見で…
「日本のスポーツ報道にはバイアスがある。女性アスリートがアスリートとしてではなく、女性・女子・妻・母として取り上げられる傾向が強く、競技以外のプライベートの部分や、容姿が過剰に取り上げられたり、食べ物の話題などを取り上げることが多い」
と、日本のスポーツ界に関するメディアの問題点を指摘した。

「スポーツがジェンダー格差是正に貢献できる」
また、会見後の個別インタビューでは…
井本直歩子さん:
「男性と同じように、女性アスリートの競技力をもっと報道して欲しい。スポーツが、社会におけるジェンダー格差、ステレオタイプの是正に貢献できるはず。」
と、強調する。井本さん自身も「セクハラなども当たり前すぎて、やり過ごしていた」 と、少し前までジェンダー格差について気がつけなかったという。
井本直歩子さん:
「オリンピックを通じ、ジェンダーについて議論できることは喜ばしい。大会後もみんなで議論し、変えていければ」
オリンピックで日本選手の活躍が期待される「男女混合」種目。
純粋に競技を楽しむのもいいが、井本さんが指摘する視点を踏まえて見ると、新しい五輪の「見方」が見つかるかもしれない。
(フジテレビ五輪取材団・相澤航太)