甘みと酸味のバランスが魅力 愛知の伝統野菜
コロナ禍の中、トマト農家の兄と飲食店を営む弟がタッグを組み、新しいメニュー開発を進めている。弟が作る通常は流通しないトマトペーストで作った濃厚なイタリアンは、地元の人たちの間で人気となっている。

愛知県豊明市で1971年からトマトを作っている「横山農園」。この農園を営む横山請悟さんが作っているのは、可愛らしいハート型の「ファーストトマト」だ。

愛知県発祥の伝統野菜、ファーストトマトの魅力は、甘みと酸味のバランスの良さ。他のトマトにはない、もっちりとした食感も特徴だ。
美味しさの秘密は「隔離ベッド栽培」と呼ばれる栽培法。
地面から切り離したプランターの中でトマトを育てることで、根が吸う水の量を小まめに調節。最適な水分量を見極めることで、最高の味に仕上げている。

女性客A:
味がやっぱり、全然違う
女性客B:
新鮮でおいしいです。味が濃くて
そのファーストトマトは、ハウスから車で10分の場所にある直売所で販売されている。
通常流通しないトマトペーストを活用 弟が手掛けるイタリアン

横山農園のトマトを味わえるお店が、長久手市にあるイタリアンレストラン「オステリア カンパーロ」。白を基調とした落ち着いた店内でランチとディナーを楽しめる。

ファーストトマトを作る横山さんの弟、横山智之さんが手掛ける本格的イタリアンと、パティシエである智之さんの妻が作るバターサンドが女性客に人気だ。

シェフの智之さんは、「兄が作った新鮮なトマトが常に手に入るのはメリット」と話す。

請悟さんは、トマトジュースを絞った後に残る実の部分を瓶詰に。智之さんは、通常は流通しないこの部分を譲り受け、ペーストとして使用。濃厚な味わいでイタリアンには最適という。
デザートにもドライトマトを添えて…トマト尽くしのコース

このペーストをふんだんに使ったお店自慢のメニューが、トマト尽くしの「Aコース」(2200円)。横山農園のファーストトマトやミニトマトをふんだんに使った全9品だ。

メイン料理は「野菜のトマトソースパスタ」。トマトのペーストにロマネスコやプチベールなど、6種の野菜を合わせたソースに、平打ちのタリオリーニを絡めたこだわりの逸品。

デザートもトマトを使った「トマトと苺のクレームダンジュ スープ仕立て」。

ふわっとした口どけのレアチーズケーキにトマトのソルベ、さらにドライトマトを添えている。トマトと一緒にフランボワーズが入っていて、まろやかな味だ。
智之さんが生産者の兄とタッグを組み生み出した“トマト尽くしのイタリアン”は、まさに産地直送メニュー。

ファーストトマトを使ったイタリアンがいただける「オステリアカンパーロ」は、愛知県長久手市にある。
(東海テレビ)