「感染防止徹底宣言ステッカー」貼りながら酒提供…店側の思い

今月18日、まん延防止等重点措置への移行を発表した小池都知事。その中で酒類の提供については原則停止とした上で、「感染防止徹底宣言ステッカー」を掲示し、コロナ対策リーダーの登録と研修を終えている店舗に限り、「2人までの利用・11時から19時まで・滞在時間は90分以内」という条件付きで酒類の提供を認めるとしました。

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緊急事態宣言が解除される直前の週末、多くの人が行き交っていた都内の繁華街をめざまし8は取材しました。緊急事態宣言下にもかかわらず午後8時以降も営業を続ける飲食店。よく見ると、そこには「感染防止徹底宣言」のステッカーが。都の時短要請には応じず、午前0時まで営業し酒の提供も行っている店舗がありました。その飲食店のオーナーに話を聞くと。

0時まで営業し酒を提供している飲食店のオーナー:
4月の中旬くらいから18時オープンでお酒を出して普通に営業して、午前0時閉店という形でやっている。政府としての政策とかの進展が無かったので、潰れる前に営業してしまおうと。

オーナーによると、当初は時短営業の要請に従っていましたが、4月中旬から午後8時以降も営業し、酒類の提供も続けることにしたといいます。4月末には都の担当者が店の感染対策を調べに来たそうで、その際正直に時短要請に応じていないことや酒の提供を続けていることを話したのに、なぜか後日「感染防止徹底宣言」ステッカーと「酒類提供中止」ポスターが送られてきたということです。
酒の提供をしている今もなぜステッカーを貼っているのか聞いてみると。

0時まで営業し酒を提供している飲食店のオーナー:
何というか…剥がすのも忍びないので貼り付けてはいるんですけど、理由としてはそれほどない。お店の方にしわ寄せというか、店の方に責任転嫁するだけかって思うとちょっと納得いかない。

オーナーは今後も時短要請には応じず、酒の提供を続けていくと話していました。「感染防止徹底宣言」ステッカーを貼っている店舗での夜8時以降の営業や酒の提供…ステッカーが“形骸化”している面もあるようです。

3種類の感染防止徹底宣言ステッカー

そもそも、感染防止徹底宣言ステッカーは現在3種類あります。
一つ目は、店側が任意で感染防止のチェックをしてオンライン上で都に申請をし、ステッカーをダウンロード、印刷して自分自身で貼り出すタイプ。二つ目は、アクリル板の設置や手指消毒の徹底、食事中以外のマスク着用推奨、換気の徹底といった基本4項目を順守することと、店から1人をコロナ対策リーダーとして選任し、ネット上で感染防止に関する試験を受けて合格していることを条件に、ステッカーに王冠のマークが付いているタイプ。
そして三つ目は都の職員によって全項目点検済みの場合に配られる虹マークの背景が青く、王冠のマークが付いているタイプ。

6月21日から実施されるまん延防止等重点措置では、王冠のマークが付いているタイプの2つのステッカーどちらかを入手していれば、お店として酒類の提供が可能となっています。

ステッカー貼り出す半数の飲食店が“酒類提供“

めざまし8が都内の飲食店86店舗を調査したところ、ステッカーを貼っている飲食店にも関わらず、緊急事態宣言下で既に酒類を提供している店がかなり多くあることが分かりました。
細かく見ていくと、ステッカーを貼り出している30店舗中過半数を超える16店舗は酒類の提供をしており、王冠付きのステッカーを貼り出している33店舗中16店舗、また王冠付きの青色のステッカーを貼り出している9店舗中2店舗までもが酒類の提供をしてしまっているという結果に。

その飲食店がどれくらい感染防止に力を入れているのか、利用者がその店を利用する根拠の一つとなる指標「感染防止徹底宣言ステッカー」。本来ルールを守っている店の目印のはずが、必ずしもそうはなっていない現実。緊急事態宣言が解除された今、改めて、感染対策がとられ信頼できるお店かどうか、客自身の目でも判断する必要があるかもしれません。

(「めざまし8」6月21日放送)