鉄道模型を作るおじいさんと鉄道が大好きな少年
テレビ新広島が11年前に取材した映像には、鉄道模型の世界が7畳の部屋いっぱいに広がっていた。

鉄道模型を制作したのは宮城国寿さん、当時73歳。

宮城国寿さん(当時73):
自分が作った鉄道模型なのです
機関車の色を塗り替えたり、周りの風景は、木材や画用紙、つまようじなど身近なものを工夫して作った。
一方、どんどん出てくる鉄道のおもちゃ。
広島・安芸郡海田町に住む岸保大資君は、小学校3年生だ。
小学3年生・岸保大資君:
撮って、乗って…、それをもとにプラレールのレイアウトを作る

大資君が鉄道に目覚めたのは、1歳の頃。近所の踏切に毎日、電車を見に行った。鉄道博物館やイベントなど、家族で訪ね歩いた。

しかし、コロナ禍で、鉄道展示などをこの1年は見に行くことができない。
お父さんの宏さんは、大資君に会わせたい人がいた。
その人とは、あの宮城国寿さんだ。

少年がおじいさんの家に カープ電車やスタジアムも…進化遂げた鉄道模型
宮城さんの手作り模型は、さらなる進化を遂げていた。
宮城国寿さん(84):
どうしても地元となるとカープ。カープ号を走らせてカープを作らないと
線路脇にはスタジアムが。どこかで見た風景で、カープ電車も走っている。

この日、大資君たちがやって来た。
小学3年生・岸保大資君:
これって動かせますか?
宮城国寿さん(84):
まずどれから動かそうかな
小学3年生・岸保大資君:
DD51型と貨物のコキだね、これは。キハでも28とか40とか同じのだね。ここで「さくら」が走ってくれると…。「はやぶさ」「さくら」って、連結していた時期とかは広島を通るんですよ

少年とおじいさんの広がる夢…“鉄道マニア”の熱い思い
宮城さんは、子どもたちに見てほしいものがあった。

あらわれたのは、夜の風景。
さすが、元電気技師。さまざまな明かりを組み合わせ、そこには夜の鉄道が再現されていた。

宮城さんの作品を見た大資君。夢が広がっていく。
小学3年生・岸保大資君:
この部屋に何もないとして考えると、まずこの辺に駅をもってこないで、この辺に駅をもってくる。こっち側を住宅街にしてみたい。作ってみたいのはみたいけど、部屋にこんなスペースがない

宮城さんの情熱は、84歳になった今も一向に衰えていない。7畳の部屋に広がる夢の空間。
宮城国寿さん(84):
次はここに庭園模型を作ってね。市内電車走らせてね。こう(線路を)またがすんですよ。その時は、また撮りに来てもらって

老いも若きも、鉄道マニアの思いは熱い。
(テレビ新広島)