今やコンビニをしのぐほどの数があるという薬局。その数、約6万施設(平成30年度末時点 厚生労働省より)。

静岡・浜松市の杏林堂薬局(姫街道店)ではスーパー並みに食料品を扱うなど、これまでも進化を続けてきた薬局だが、今 さらに新たな取り組みを始める薬局が増加している。

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一体、どんなユニークな取り組みなのか?
今回の「ココ調」は、次々と進化を続ける薬局を調査する。

女性にうれしいトレンド商品がずらり…ネット限定商品のお試しも

まず向かったのは新宿駅。東口から徒歩約1分の場所にあるのが…

横山ルリカ リポーター:
もしかして、これですか?あっ「ココカラファイン」って書いてある!すごくオシャレなビルですね

こちらは2020年12月にオープンしたばかり。全国に1300店舗以上を展開するココカラファイン 東京新宿三丁目店。

新宿を訪れる女性がターゲットの進化した薬局は、従来の店舗と比べ、まるでファッションビルのような作り。

4階建ての店内はどうなっているのか?まるごとチェック!

横山ルリカ リポーター:
入ってすぐにPCR検査のキットが置いてあります

横山ルリカ リポーター:
そしてこちら側、マスクがずらっとすごい量ですね。かなりの種類です。マネキンがマスクを着用していて、アパレルっぽい雰囲気もありますね

マスクだけでも200種類以上の品揃え。

ココカラファイン 東京新宿三丁目店 岡野裕也店長:
1階は特にお客様さまが入られて発見、自分で(商品を)見つけていただける楽しさというところをコンセプトとして作っています

マスクの他にも化粧品や家電など、ジャンルにこだわらず、20代から40代の女性が気になるトレンド商品がずらり。

中でも、他のドラッグストアにはないというのが…

ココカラファイン 東京新宿三丁目店 岡野裕也店長:
こちらが「D2C(Direct to Consumer)」という場所になっておりまして、インターネットのみで販売をしている商品を試せるというスペースです

ネットでしか買うことのできない商品を実際に試して、使い心地を確認できるという新しい試みを実施。

そして、2階には?

横山ルリカ リポーター:
いっぱい薬が並んでいます。陳列もキレイで、本当にスタイリッシュですね!

2階は医薬品・サプリメント・日用品など、都市型生活に密着した商品を取り揃えている。

“女優ライト”完備のメイクスペース 化粧品の種類も豊富

では、3階はというと…

横山ルリカ リポーター:
2階と比べて明るいですね!こちらはメイク用品が中心なんでしょうか?薬が置いてある所とは全然違いますね

他の店舗の3倍以上もの化粧品を、手指を消毒した上で試すことができるという。

ココカラファイン 東京新宿三丁目店 岡野裕也店長:
3階はお客さまにキレイになっていただくフロアとなっておりますので、照明もできる限り他の階よりも明るい設定になっていて、こだわって作らさせていただいております

さらに、女性にはうれしいこんな仕掛けも。

横山ルリカ リポーター:
女優ライトがありますよ!このフロアでも相当明るいんですが、女性はうれしいと思いますね

フロアの中央に設置された、ライト付きの広いメイクスペース。

しかも、これだけでなく、メイクしている所をあまり見られたくないという人のために、フロアの奥にもライト付きのメイクスペースを設置している。

そして4階には、200種類以上のパックなど、スキンケア商品がズラリと揃っている。

ココカラファイン 東京新宿三丁目店 岡野裕也店長:
ここのお店ならでは、ここのお店でしか扱えないものが他社との違いというところで。アイテム(数)に関しましては、負けない自信もあります

老舗の薬局に交流スペース&食器も販売

続いて、東京・江東区の三木青雲堂薬局で進化していたのは?

横山ルリカ リポーター:
おお~木の感じとか、全体的に温かみがありますね

横山ルリカ リポーター:
こちらにはキッチンがありますよ!ドラッグストアにキッチンスペースがあるって初めて見ました

実はこちら、1913(大正2)年創業、108年の歴史を誇る老舗薬局。2019年11月、グレーを基調とした落ち着いた雰囲気の店内に全面リニューアルした。

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
こちらはワークショップスペースとして作りまして、地域の皆さんが気軽に来てお話したりとか、楽しみのひとつになるような、そういう場にできたらいいなと思って

リニューアル前、医薬品と日用品で占めていた店内は…

医薬品の数を半分に減らし、近所の人が集まれるスペースにして、より地域に密着した店に進化。

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
やっぱり一番大きいのは、ドラッグストア形式で営業している個人の店の限界というか、厳しさというのを感じて。体だけじゃなくて心からとか、社会のつながりとか、そういうものからも健康を見つめられるようなスペースを作ることに決めました

新型コロナウイルスが収束したら、ゲームや料理をしたり、誰でも自由に使えるスペースにしたいという。

ちなみに、店内では医薬品以外に、こんなものを発見。

横山ルリカ リポーター:
こちらには食器がたくさん並んでいます。ちょっと珍しい、こだわりの品という感じがしますが…

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
これは完全に趣味です、自分の

横山ルリカ リポーター:
趣味なんですか?(笑)

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
そうです。スパイスカレーが好きなので…

カレー好きが高じて販売しているという、カレー用のお皿。

これ、実際に買われた方はいらっしゃるんですか?

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
いらっしゃいます。コロナ禍で、このお弁当箱(インド弁当箱「ダバ」税別2200円 ※価格は取材時のもの)はけっこう人気が出ているみたいで

三木青雲堂薬局 代表取締役 一ノ瀬顕輔さん:
(カレーの)スパイスもけっこう漢方と通じるところがあって、胃腸を元気にするようなスパイスがいっぱい入っているんですよね。なので、健康っていうコンセプトがブレなければ何をやってもいいかなと思っています

まるでオシャレなカフェ!360度全面ガラス張り

さらに、群馬・高崎市にある調剤薬局では…

めざまし取材班:
「薬」という看板は1つもないんですが、カフェみたいなオシャレな建物になっています

なんと、360度ほぼ全面ガラス張り!2020年にグッドデザイン賞も受賞したという、プラス薬局 みさと店。

めざまし取材班:
上が吹き抜けになっていて、仕切っている壁も一切ないですね

プラス薬局みさと店 薬剤師 小黒佳代子さん:
薬局ってちょっと閉鎖的なイメージが多いので、なるべく開放感を持っていただく、患者さんが気軽に入って来やすい、相談しやすい空間ということにこだわりました

狭い空間のイメージを、広い開放感のある空間へ進化。

こうすることで、外からも薬局の中が見え、混雑状況なども一目で把握することができる。

初めて来た人:
すごいね~こんなガラス張りで、まさか中が薬局になっているとは全然思わなかった

授乳室・漢方煎じ機器・薬のドライブスルーも

他にも、子供たちが勉強することもできるライブラリースペースや…

扉を閉めることができる授乳室を完備。

さらに、お客さんのために調合した漢方薬を、その場で煎じることができる機械も導入している。

昨年から通っている人:
とっても居心地がいいですよね、本当に。生活のことや家族の心配事とか、そういうのも聞いてもらって励まされている

理学療法士:
隣の建物でリハビリ(指導)をしているんですけれども、外を歩く練習をしている時は、だいたいここで休憩させてもらっている

進化しているのは室内の空間だけではない。

めざまし取材班:
車が薬局の横に止まりましたね。薬を受け取ってるみたいですね

車に乗ったまま薬を受け取ることができる「ドライブスルー」を導入。

女性:
車で来ることが多いです。中に入って行って感染の心配とかもあるので、すごく便利で助かっています

こちらではドライブスルーに限らず、3月からはLINEで友だち登録をすると、事前に調剤予約をすることが可能で、待たずに薬を受け取ることができるようになるという。

薬局は今後も、生き残りをかけて様々なアイデアで進化を続けていくのかもしれない。

(「めざましテレビ」『ココ調』2月9日放送分より)

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