イギリスの最有力選手19歳

「五輪のことは考えないで、うまくなることだけ!を一心に練習に取り組んでいるの」

こうモチベーション維持の秘訣を語るマリア・パップワースさん(19)。飛び込みの東京五輪イギリス代表の最有力選手である。

2020イギリス飛び込み選手権優勝の時
この記事の画像(7枚)

イギリスでは新型コロナウイルスの感染拡大により1月5日から全国的なロックダウンに入り、五輪の代表選考会が開催される目処がたっていない。そのためマリアさんは2020年のイギリス飛び込み選手権3m飛板飛び込みの優勝者であるにもかかわらず、代表には内定していない。このまま選考会を行わないまま、代表選手を決める可能性もあるという。

練習できる幸せ

選手にとっては辛い状況だが、マリアさんはとにかく練習出来ることが今は幸せだと言う。

「去年3月の最初のロックダウンではプールでの練習が認められておらず、2カ月間家に閉じこもっていた。今はプールで練習が出来る。本当に感謝している」

「とにかく練習できることが今は幸せ」と語るマリアさん

マリアさんはオリンピックが有力視されているため特別に練習が認めらており、週に6日、ロンドン五輪の飛び込み会場にもなったロンドンアクアティクスセンターでトレーニングを行なっている。

実際に練習を取材させてもらったが、真剣に練習に取り組む姿や、コーチと議論する表情、他の選手達と談笑する様子を見て、この時間を心から喜んでいることが伝わってきた。

練習中はチームメートと笑顔で話す場面も

気分転換はバナナブレッド

服を買う店も、カフェも開いていないので、練習以外の気分転換は家でバナナブレッドを焼くこと、そして去年のロックダウンの時に習慣化したヨガをやることだと教えてくれた。

そして、「ロックダウンが明けたら友達とバーに行きたいな」とはにかみながら話す姿は、普通の19歳だ。

ロックダウンが明ければ友達と遊びたい

五輪について考えるのは、メディアの報道を目にするときだと言う。タイムズ紙が「東京五輪絶望的」と報じるなど、東京五輪の開催に懐疑的な報道が目立ち始めている。

「がっかりです。五輪開催はIOC=国際オリンピック委員会が決めることなのに、なぜニュースがそんなことを先に言うのか?コーチにもこれは真実なの?と聞いてしまったけど、コーチからニュースは見るなと言われたわ」

練習プールに併設されているジムにはTOKYO2020のデザインが

注目は「走り込んでの2回宙返り1回半ひねり」

東京五輪ではどんな大会を望むか聞いた。

「まず、開催の可否については、IOCがしっかり考えた結果だからどっちになっても受け入れようとは思う。その上で開催されるなら選手、スタッフだけでなくボランティアを含めた全ての人が安心できるよう、必要と思うことは全部して欲しい、無観客も受け入れるし、もし選手へのワクチン接種が始まれば絶対に接種したい」と、とにかく安全な大会を望んでいた。

そして、五輪ではどんなところを見て欲しいか聞くと一気に笑顔になった。

「私が一番好きな、走り込んでの2回宙返り1回半ひねりを見て欲しい、そしてがむしゃらに競技をしているところも。オリンピックでは年上の選手が多いけど、決勝の舞台に立つのが夢だわ」

3mの飛板から東京五輪会場のプールを眺めてほしい

マリアさんは日本と世界を取り巻く状況をよく理解しているが、その表情から五輪出場への強い想いを感じた。

五輪会場の東京アクアティクスセンターで演技する日が来るよう応援したいと思う。

【執筆:FNNロンドン支局 小堀孝政】