“今年最強”とも言われる台風19号が、日本列島に迫っている。

10日午後3時現在、中心気圧が915ヘクトパスカル、最大瞬間風速は75m/sと非常に強い勢力を保ったまま北上していて、12日には関東から東海にかけて上陸する恐れもある。

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気象庁によると、9月に上陸した台風15号と同程度の暴風被害が発生する可能性があり、高波や大雨、高潮の恐れもあるという。台風15号は千葉県を中心に大きな被害をもたらしたため、今回の台風19号でもこれまで以上に警戒が求められるだろう。

そのためには、多くの人が防災情報を入手できることが重要となる。

今はインターネットやSNSで情報を得る時代だが、信頼性が高いのはやはり公的機関が発信する情報。台風19号が接近・上陸する恐れのある、東京都と千葉県はどこに焦点を当てて情報発信をし、公式ツイッターをどのように活用しているのだろうか。

東京都はSNSの多言語化で外国人にも広く発信

東京都が取り組んでいるのは、インターネットを活用した防災情報の周知。

東京都総合防災部の公式Twitterアカウント、東京都防災(@tokyo_bousai)では、防災情報ウェブサイト「東京都防災ホームページ」への誘導を多言語でつぶやき、外国人にも防災への備えをしてもらおうとしている。



この試みは台風19号に備えてもらおうと初めて行ったもので、対応言語は英語、中国語、タイ語など、日本語を含めた10言語。東京都防災ホームページの機械翻訳に対応している言語をカバーしている。

多言語でのツイート。内容は東京都防災ホームページへの誘導だ
多言語でのツイート。内容は東京都防災ホームページへの誘導だ

東京都防災ホームページからは、都内に発令された避難情報などを確認できるほか、都内の避難所や一時滞在施設などを検索できる「東京都防災マップ」などにもアクセスできる。

東京マイ・タイムラインでは避難に必要な行動などをまとめられる。印刷も可能
東京マイ・タイムラインでは避難に必要な行動などをまとめられる。印刷も可能

サイト内ではこのほか、いざというときに慌てることがないよう、避難先や避難のタイミングなどを事前に決め、それらの情報をPDFファイルにまとめられる「東京マイ・タイムライン」も利用可能。

こちらは日本語と英語の2言語対応だが、将来的には多言語対応を進められればという。東京都の担当者は「東京都防災ホームページなどを参考に、防災に備えていただければ」と話した。

台風15号の“教訓”を生かしたい千葉県はどう伝えている?

9月の台風15号で甚大な被害を受けた千葉県は、事前の情報周知と備えに力を注いでいる

千葉県も公式Twitter、千葉県防災(@chibaken_saigai)で情報発信をしている。そして、県公式ウェブサイトに台風関連の情報をまとめているほか、公式防災ポータルサイト「千葉県防災ポータルサイト」では防災情報を集約。

千葉県公式ウェブサイトでは目立つ位置で防災情報へのリンクを掲載
千葉県公式ウェブサイトでは目立つ位置で防災情報へのリンクを掲載

このうちポータルサイトでは、台風の接近情報などを時系列で確認できるほか、防災対策や公的支援なども周知。県内の雨雲レーダーや注意報マップなども見ることができ、気象情報などのメールサービス「ちば防災メール」の受信登録ができる。

千葉県防災ポータルサイトではさまざまな防災情報を集約
千葉県防災ポータルサイトではさまざまな防災情報を集約

台風15号の際には、県内市町村との連携が課題となったため、今回は各市町村に事前に職員を配置して、災害情報や支援要請などの収集に努める方針。収集した情報はポータルサイトにほぼリアルタイムで反映されるという。

サイト内では台風情報や雨雲レーダーなども確認できる
サイト内では台風情報や雨雲レーダーなども確認できる

台風19号で被害住宅の損壊が進む可能性も

台風15号の際は気象災害に起因して、電力や水道などのライフラインが長期間に渡り停止。いつ復旧するか分からない状況が、住民たちの不安を増幅させた。

この教訓を生かして、今回は事前に電力会社などと連携を取り、被害状況を判断して必要な地域があれば、給水車や電源車を早期に向かわせる手はずも整えているという。

台風15号では長期間の停電が住民を苦しめた
台風15号では長期間の停電が住民を苦しめた

千葉県の担当者は「千葉県は台風15号で甚大な被害が出て、住宅被害は3万棟にのぼりました。今回は同規模の台風が同じようなコースで来ると予測されていますが、被害を受けた住宅の損壊がさらに進む可能性もあります。住民の皆さまは避難所に早め早めに避難するなど、命を守る行動を最優先してください」と呼びかけている。


適切な情報を入手していたかどうかで、災害時においては生死を分ける場合もある。今回紹介した自治体の取り組みなどを参考にしつつ、台風19号への備えを今のうちに万全にしてほしい。

【この記事で紹介したサイト・Twitterへのリンク】
東京都防災ホームページ
東京都防災(Twitter)
千葉県ホームページ
千葉県防災ポータルサイト
千葉県防災(Twitter)

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プライムオンライン編集部
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FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。