日を追うごとに日没が早くなる季節、増えるのは交通事故です。
警察によりますと、日没後1時間に起きる歩行者と車の事故で、歩行者が大ケガを負ったり、死亡したりするケースは、夏場と比べ10月から12月は約3倍に急増するといいます。
日没前後1時間の「薄暮」。そこに潜む危険と、身を守るポイントとは。
10月29日の札幌市の日の入りは、午後4時31分。
急速にあたりが暗くなるこの時間帯の運転では、プロのドライバーでも恐怖を感じるといいます。
「黒い服を着た人が走って渡ってくることがたまにあり、急ブレーキになることが多い」(タクシー乗務員)
命に関わる事故が急増する、日没前後の「薄暮」。
そこに潜む危険性を体感してもらおうと、警察が市民を招いた体験会を開きました。
見落としの引き金となる「2つの罠」があるといいます。
果たして「命を守る対策」とは。
「薄暮の罠」1つ目は「衣服の色とヘッドライト」です。
実験では、色の違う複数のコーン標識が約60メートル先に設置されました。
前方の斜め下を照らすロービームの車内からは、どう見えるのでしょうか。
「コーンは3つほどしか見えません」(武田梨乃記者)
しかし、遠くまで照らすハイビームに切り替えると、一転して7色のコーンが見えてきました。
また、白や黄色がはっきり目立つ一方で。
「やはり黒色のコーンは見づらかった」(体験会の参加者)
黒や紺色など暗い色の服は、ドライバーから認識されにくいだけでなく、距離感の錯覚も引き起こします。
「黒のコーンだけ3メートル手前にあるのですが、横一列に並んでいるように見えます。距離感が非常につかみにくいです」(武田記者)
並べられたコーンに近づいてみると、実は黒いコーンだけが、ずいぶんと手前に設置されていました。
しかし、遠くから見ると、色の違いで距離感が把握しにくくなるのが確認できました。
「薄暮の罠」2つめは、光の中に人が消える「蒸発現象」です。
対向車とすれ違う際、ライトの前を歩行者が横断すると。
「運転席から見ていると、対向車のライトの前を通過する際、姿が完全に見えなくなる瞬間があります」(武田記者)
これが「蒸発現象」。
強い光を放つライトに惑わされ、歩行者のシルエットも見えなくなってしまうのです。
「薄暮の罠」から命を守るには?
「車から自分の姿は見えていないという意識を持って行動してもらいたい。明るい衣服や反射板を活用し自ら目立つくふうをしてもらいたい」(警察の担当者)
最も有効な対策が反射材の着用だといいます。
黒い服装であっても、足元や腕に反射材を身につけていれば、ライトを反射して存在を遠くから知らせることが期待できます。
ドライバーは早めのライト点灯と、こまめなハイビームの活用を。
そして歩行者は、「車から見えていないかもしれない」と考えて行動することが必要です。
