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あぐー豚を病気から救う「ファージ」を活用した革新的感染対策 沖縄から挑戦 バイオ×AIで挑む「iGEM」2026年フランス世界大会|FNNプライムオンライン

あぐー豚を病気から救う「ファージ」を活用した革新的感染対策 沖縄から挑戦

バイオ×AIで挑む「iGEM」2026年フランス世界大会

Google ニュース プリファードソース

沖縄科学技術大学院大学(OIST)をはじめ、琉球大学や沖縄高専など県内5つの学校から集まった学生チーム「iGEM Okinawa」が、昨年の金メダル獲得を経て、世界最大級の合成生物学大会「iGEM」で再び世界の頂点に挑む。
総勢約40名の多国籍メンバーで着目したのは、沖縄の食文化を象徴する「あぐー豚」。

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最近に感染するウイルス「ファージ」に着目

合成生物学を活用した社会実装の場として知られるiGEMにおいて、同チームは昨年、マンゴー農園を脅かす害虫・アザミウマのDNA検出システムで金メダルを受賞した。

リーダーのイ・ジュンホさんは「理系の学生がこんなに世の中の役に立つための社会実装に向けた何かをしているというのがまず一つの学びでした。そのような学生を見るためにいろんな企業が参加しているのもすごく驚きました」と振り返る。

今年は、沖縄の養豚農家で大きな課題となっている細菌感染症の克服にフォーカス。従来の抗生物質投与では耐性を持った菌の発現や仔豚の免疫力低下、生産コスト増加を招くリスクを抱えていた。そこでチームは、細菌に感染するウイルス「ファージ」に着目した。

関夏菜子さん「沖縄といえば何かみんなで考えた時に、美味しい”あぐー豚”がいいのではないかとなりました。我々が目をつけたのがファージという、細菌に感染するウイルス、それを使って豚に感染する細菌を駆除しようと思っています」
この技術の展望について、屋比久孟さんは「私たちの技術は豚だけではなく、他の動物にも、また様々な細菌感染症にも応用ができると考えているので、あぐー豚だけではなく、幅広い分野で貢献できると思っています」と期待を込める。

チームは年間約10万頭を出荷する「那覇ミート」に聞き取り訪問も行った。

那覇ミートの金城浩一部長は「抗生物質を使わない、ファージを使った取り組みということで、そういうものが本当にできるのであればいいことじゃないかなと思って、ぜひ協力させてほしい」とチームの聞き取りに協力した。

養豚専門の田島守獣医師もチームの研究を高く評価する。

「お母さんから離れたばかりの小さな子ブタたちが病気にかかりやすいんですけれども、ここに書いてあるほどんどが細菌の病気ですね。農場のトラブルを解決するツールとしては非常にいいんじゃないかなと思ってます」

田島獣医師は沖縄だけの問題ではないと、さらなる広がりにも期待する。

田島獣医師「九州沖縄は一つの養豚の大きな産地なんですけれども、沖縄で課題のある病気はもちろん九州でも同じように課題のある病気でありますので、ぜひこの技術が使いやすい形にブラッシュアップされて九州の方でも活用できるといいんじゃないかなと思っています」

AIと実験の融合で挑む遺伝子改変の課題

実用化にあたり最大の障害となるのが、ファージの酸に対する弱さだ。経口投与では胃酸によって機能が失われてしまう。

井上己新さん「ファージは酸性環境に弱く、胃腸では働きにくいです。つまりファージを経口投与しても絶対に胃を通らないといけない。私たちは酸性耐性を持ったファージを作ろうと考えました」と開発の動機を説明する。

チームは酸耐性を持つ遺伝子構造を導き出すため、独自AIプラットフォームによる計算科学アプローチを採用した。

石垣幹人さん「遺伝子の情報やファージをコンピューター上で扱うときには、基本的に文字情報として扱います。特定環境下でも耐えられるような、生存できるようなものを文字情報として、計算結果を出してあげて、それを今度はウェットチーム(実験チーム)の方で使っていく」

算出された理論値を実証実験に回す「ウェットチーム」の和久一哉さんは「たんぱくの構造や、ペーハーの耐性を計測して結果的に生き残ったDNAの候補を今ぼくたちが預かって、それが実際にうまく働くのかどうかを検証する段階」と話し、研究が緻密な分業体制で進んでいる様子を伺わせる。

研究成果を地域産業へ引き継ぐスタートアップ構想

11月のフランス・パリ大会での発表に向け、イ・ジュンホさんは「正直まだ2年目ということで、総合優勝に必要なものがこれで足りているのかという情報は足りてないんですが、特別賞は狙えるのではないかなと思って今頑張っているところです」と控えめながら力強い手応えを覗かせる。

2025年の研究成果に関しても起業に向けた準備が進められており、学生たちの目線は単なる学術発表の枠にとどまらない。

イ・ジュンホさんは「このプロジェクトを持ってスタートアップもしようと思っていまして、地域の農家の方々にもいい影響を与えられるのではないかなと思って、今頑張って動いているところです」と展望を描く。
先端技術を駆使して最前線の地域課題に向き合う若き研究者たち。沖縄から発信されるバイオテクノロジーの可能性が、まもなく世界の舞台で試される。

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