富士山を望む河口湖畔の観光名所で、中国人とみられる男性が「雑草に薬をまく」と言いながら謎の液体を地面にまく動画をSNSに投稿し、波紋が広がっている。
男性は「液体はただの水だった」と主張しているということで、現場を取材しても大きな変化は見られなかった。
刑事裁判に詳しい弁護士は、「本当に水だった場合でも、自治体が対応に動いたら軽犯罪法違反や業務妨害の罪に問われる恐れもある」などと指摘する。
こうした行為に関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」に出演した、弁護士で元大阪府知事の橋下徹氏は、「マナーを守れない人は日本に入国させないという姿勢を政治が示すべきだ」と訴えた。
■ 富士山を望む絶景スポットで撮影された動画
現場は河口湖の北側にある、留守ヶ岩という大きな岩が目印の観光名所だ。
湖越しに富士山を望める絶景スポットとして知られている。
この場所で撮影された動画が中国のSNSに投稿された。動画には、中国語で話す男性が映っている。

■ 「薬をまいてあげる」と液体を散布
男性は、富士山を指しながら次のように語っていた。
中国SNSより:今回は日本に来てまんまとだまされたよ。どういうことかというと、いま富士山に来たんだけど、どれが富士山か分かるか?大きな雲が見えるか?その後ろにあるのが富士山だ。来るのが早過ぎたんだ!まだ雪が積もってないんだよ。
雪が積もっていないことへの不満を口にした男性は、さらに湖の周辺の様子にも言及した。
中国SNSより:日本人ってなまけ者だな、こっちを見て。この湖の周辺は、雑草が伸び放題だ。薬をまくことも知らないのか?ちょうど家から噴霧器を持ってきていたんだ。いいだろ?薬をまいてあげるよ!
そう叫ぶと、男性は謎の液体を地面にまき始めた。
中国SNSより:良いことをしても、決して名乗らない!ここもまいておかなきゃ。薬で枯らしてやる。

■ 現場に目立った変化はなし
液体がまかれた場所はどうなったのか。取材班が現場に向かった。
記者リポート:下を見てみますと、人が歩いたようなところ、草が色が変わっているようなところありますけれども、明らかに草が枯れてるようなところは見当たらない。青々と雑草が茂っています。
今のところ、目立った変化は確認できない。現地を訪れていた観光客に動画を見てもらうと、次のような声が聞かれた。
観光客:初めて見たんですが、やめてほしい。環境とか健康的なところとか、気になるかなとは思います。

■ 香港や台湾でも報道、投稿者は「水」と主張
この問題は、香港や台湾のメディアでも報じられた。動画を投稿した男性は、「液体はただの水だった」と主張しているということだ。
液体の正体は本当に水だったのか。そして、動画の目的は何だったのか。
取材班は直接本人に話を聞こうとメッセージを送ったが、放送までに回答は得られなかった。動画もSNSから削除されていた。

■ 弁護士「水でも問題がないとは言い切れない」
刑事裁判に詳しいアトム法律事務所の松井浩一郎弁護士は、このような行為は法的に問題になる場合もあると話す。
アトム法律事務所 松井浩一郎弁護士:『水』だったとしても、問題がないとは言い切れない。自治体がそれを信じて動いたということになれば、軽犯罪法違反だったり、場合によっては偽計業務妨害罪。業務が妨害されたということになれば、別途そういう罪になり得る。
では、液体が「水」ではなく「除草剤」だった場合はどうなるのだろうか。松井弁護士は次のように説明する。
アトム法律事務所 松井浩一郎弁護士:他人の所有する土地に除草剤をまいて、実際に草木が枯れてしまうことになれば、器物損壊罪が成立する可能性があります。
外国人だけにターゲットを絞ってというわけではないですが、外国の方も、日本の刑法、刑事手続きの対象になり得るので、そういったところを周知していくのは大切。
湖周辺を管理する山梨県は、動画の存在を把握しており、事実関係の確認を進めている。今後もパトロールを通じて、状況に変化がないかを確認していくとしている。

■ 橋下徹氏「マナーを守れない人は入国させない姿勢を」
この問題について、弁護士で元大阪府知事の橋下徹氏は、外国人観光客の受け入れに前向きな立場を示したうえで、マナー順守の徹底を求めた。
橋下徹氏:僕は外国人観光客の皆さんに多く来てもらいたいという持論です。それは日本の経済のプラスになるし、外国人と接するということはプラスになると思ってるんですが、その代わり、マナーは厳格に守ってもらわないと困る。
一方で、橋下氏はマナー違反に対する刑事罰の難しさにも触れている。
橋下徹氏:マナー違反で、刑事罰を下すのはほぼ不可能です。ただ、観光ビザを出すときに、マナー違反が確定して、その情報を掴んだ場合には、日本には入国させないと。だから多く来てもらいたいけれども、マナーを守れない人はもう日本には入ってこれないという、そういうことを政治はしっかり示すべきだと思いますよ。
(関西テレビ「旬感LIVEとれたてっ!」2026年10月28日放送)


