秋深まる中、多くなるのが野生動物と車の事故。特に今、シカによる事故が絶えません。
見通しのよい道路を走行中に、突然飛び出してきたのはシカ。別のドライブレコーダーでは、夕方の暗くなり始めた時間帯、目の前に突如現れたシカと衝突しました。
最近、個体数が増えているシカ。いつ道路で遭遇するか分かりません。
今月17日には、愛知県新城市の新東名高速で、シカと衝突して路側帯に停まっていた車にトラックが追突し、車から降りていた女性(22)が死亡する事故がありました。
岐阜大学の森部絢嗣准教授:
「シカが猛ダッシュして道路に飛び出てくることがありますので、どうしても避けきれない」

そう話すのは、野生動物の生態などを研究する岐阜大学の森部絢嗣准教授。
岐阜大学の森部絢嗣准教授:
「9~12月にかけて、シカの繁殖期・交尾期にあたるんですけども、その時にはオスは縄張りを作ったりとかして、必然的に個体数が広がりやすくなる時期です。あとは冬に向けて、よりエネルギーを蓄えておかないといけないので、餌をよく食べるようになります」
全国で起きた野生動物との交通事故を月別に表したグラフを見ると、1月から9月までは1000件ほどで推移していますが、10月・11月は2倍以上です。

岐阜大学の森部絢嗣准教授:
「この時期は昼間の時間が短くなってきて、だんだん早く暗くなってくる。暗くなってくると動物も動き始めるので、そういったところも事故が増える要因かなと」
そして今、シカの被害が増えているのが三重県です。
大台町民:
「年々増えている。10年くらい前は、シカなんかはこの辺には来なかった。シカが(ネギの)上だけ食べる。新しくでてきた新芽ばかり食べる」

シカによる食害も深刻な三重県。交通事故も多く、三重県警によると、去年1年間に発生したシカが関係する事故は783件でした。
特に目立つのが、松阪市より南を縦断する唯一無二の“大動脈”・国道42号です。この地域のドライバーは…。
大台町営バス運転手:
「だいたい毎日(シカを)見ます」
そして、こちらの男性の車にはテープが…。
大台町民:
「(シカにぶつかったのは)4回くらい。シカと競争して、ぶつかってはいないけど、車の方に寄ってくるから慌ててハンドルをきったら、擁壁にガガガガッて」
国道42号では昨年度、事故によるシカの死骸処理件数が105件に上ります。特に大紀町では38件と突出していると言い、取った対策は…。

(リポート)
「グレーチングはシカが簡単に飛び越えられないくらいの面積で、一つ一つの穴は大人の握りこぶしが収まるくらいの大きさです」
紀勢国道事務所の岸本和弘さん:
「蹄がある動物がここを通ると、歩きにくくて嫌がって引き返していくという施設です」
シカは蹄が隙間に挟まったり、足元が不安定になったりすることを嫌うため、ことし4月、国道への合流部分にグレーチングを設置しました。

紀勢国道事務所の岸本和弘さん:
「4月末から今まで、大型動物による接触事故は発生しておりません。さらなる場所への対策も検討していきたい」
三重県警によると、シカとの事故が起きやすい時間帯があります。午後6時から午後11時が53.2%、午後11時から翌朝6時までが35.5%と、全体のおよそ9割が夜間から早朝に集中しています。

岐阜大学の森部准教授も、運転の際の対策として「森があるような所なら、とりあえずシカが出てくると考えてほしい」と話しています。
そのうえで「衝突の際にブレーキが早くできるように、なるべくスピードを落とす」「対向車がいない場合には、ハイビームを活用して動物が見つけやすいようにする」といったことをあげています。

