2024年の大統領選 世論調査

米国の政治問題に特化したニュースサイト「ポリティコ」と、データ分析会社「モーニング・コンサルツ」が行った世論調査の結果が25日公表された。

トランプ大統領 53%

ペンス副大統領 12%

トランプ・ジュニア 8%

ロムニー上院議員 4%

ヘイリー前国連大使 4%

クルーズ上院議員 4%

ルビオ上院議員 2%

ホーリー上院議員 1%

コットン上院議員 1%

ティム・スコット上院議員 1%

ノエム知事(サウスダコタ州) 1%

リック・スコット上院議員 1%

ベーカー知事(マサチューセッツ州) 0%

ホーガン知事(メリーランド州) 0%

(Political Polls公式twitterより)

調査は21日から23日にかけて行われ、共和党員669人を含む1900人の選挙登録済の有権者を対象に、2024年の大統領選の共和党予備選が今あれば誰に投票するか、出馬が予想される候補者の中から選択してもらった。

有権者の支持はトランプ氏に集中

トランプ大統領は、次回の大統領選に再出馬するともしないとも明らかにしていないが、世間は出馬を当然のように受け止め支持しているようにこの結果から読める。

それは、2014年に出馬したロムニー上院議員や、前回トランプ氏に食い下がったクルーズ、ルビオ両上院議員がいずれも一桁の支持率であることや、共和党初の有色女性大統領候補になるか注目されていたヘイリー前国連大使の支持が4%しかなく、有権者の支持がトランプ大統領に集中していることに表れているからだ。

ペンス副大統領は、トランプ大統領が再出馬しない場合のいわばスペアとして支持を得たのかもしれないが、逆に今のコンビで再出馬すれば合わせて65%の支持が期待できるという計算もできる。

CNN「トランプ氏は共和党のあり方を変えた」

トランプ氏自身はまだ再出馬には言及していない
トランプ氏自身はまだ再出馬には言及していない
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「ドナルド・トランプが2024年の共和党候補選びの先頭を切っている理由」

反トランプのCNNも、12日にこう分析するクリス・シリザ編集委員の記事を掲載した。

同編集委員は、トランプ大統領はその任期中に共和党のあり方を劇的に変化させ、その路線を共和党支持者の94%が支持することになってしまったとする。その中で従来型の対抗馬が名乗りを上げても、トランプ大統領に対抗できるわけもないとシリザ編集委員は分析する。

こうした論評や世論調査は、トランプ大統領を勇気づけて出馬の決断を後押しすることにもなりそうだ。

「トランプは今年中に2024年出馬を宣言するかもしれない」
「バニティフェア」誌電子版22日の記事見出しだ。

トランプ大統領は「次回に賭ける」という表現で、選挙の敗北認めることになるだろうと同誌は予想する。その上で、共和党内の求心力を失わないために、また他に出馬を検討している者の機先を制してライバルを「氷づけ」にしてしまうためにも、出馬宣言は早めに行うだろうと予測する。

バイデン氏の大統領就任式が行われる前に、トランプ氏の次回大統領選へ向けての運動が始まることになるかもしれない。

【執筆:ジャーナリスト 木村太郎】
【表紙デザイン:さいとうひさし】

木村太郎
木村太郎

理屈は後から考える。それは、やはり民主主義とは思惟の多様性だと思うからです。考え方はいっぱいあった方がいい。違う見方を提示する役割、それが僕がやってきたことで、まだまだ世の中には必要なことなんじゃないかとは思っています。
アメリカ合衆国カリフォルニア州バークレー出身。慶応義塾大学法学部卒業。
NHK記者を経験した後、フリージャーナリストに転身。フジテレビ系ニュース番組「ニュースJAPAN」や「FNNスーパーニュース」のコメンテーターを経て、現在は、フジテレビ系「Mr.サンデー」のコメンテーターを務める。