海の宝石とも呼ばれる秋の味覚「イクラ」。
ところが今、イクラを巡ってある異変が起きています。
13日朝、約30人の行列ができていたのは、東京都内の「おにぎり専門店ぼんご」です。
数あるメニューの中で1番人気は定番の「さけ」。
そして、2番人気がサケの卵「筋子」です。
その人気メニュートップ2に今、値上げの波が…。
秋サケの深刻な不漁が続いている影響で、9月23日、さけのおにぎりは100円値上げされ、1個500円になりました。
おにぎり専門店ぼんご・郭鳳云さん:
毎日だんだん値上げの紙が入っている。すごく大変。おにぎり屋さんで、さけは基本なので、あまり高く値段を設定できない。
北海道のまとめによりますと、秋サケの9月末までの漁獲量は約210万匹。
過去8年の同じ時期と比べて最も少なく、4年前からは1000万匹近くも減りました。
その影響はサケの卵、筋子やイクラにも。
こちらの店では、外国産の筋子の仕入価格が高騰しているといいます。
おにぎり専門店ぼんご・郭鳳云さん:
輸入の関係や円安とかで(外国産)すごく値段が高い。筋子の仕入れの値段が倍なので「秋口には倍になる」という知らせが来ている。筋子は今800円。さらに値上げすると1600円で提供できない。仕入れの値段が落ち着いてほしい。
“サケ日本一の町”として有名な北海道・斜里町でも深刻な不漁が続いています。
1日あたりの漁獲量は、不漁だった2025年の1000匹近くから、2026年は100匹程度まで落ち込んでいるといいます。
激減した原因について、斜里町のサケ漁師・第二十一北洋丸の伊藤正吉代表は「よく言うのが水温の上昇。それでプランクトンが半減してエサが減ったという話がある。今年は本当に深刻な感じになっている」と語ります。
そして、海では別の異変も起きています。
本来、暖かい海に生息する魚「シイラ」。
ハワイアン料理では“マヒマヒ”と呼ばれる魚が今、大量にとれているといいます。
第二十一北洋丸・伊藤正吉代表:
10月の10日を過ぎて、この時期ではなかなか今まではなかった。北の魚ではない。
年末年始に向けて、さらなる需要が見込まれるイクラ。
“サケのイクラ”が消えた店も…。
東京・世田谷区の海鮮料理店「根室食堂」では、焼き上げたサケに真っ赤な卵をのせた親子丼が人気メニューですが、この赤い卵はサケの卵ではありません。
根室食堂・平山徳治店長:
現状、サケの卵ではなく、マスコというマスの卵を使ったしょうゆ漬け。イクラに関しては去年から高騰して、去年1kg8000円になってしまって、今年なんか(1kg)15000円超えている。もう扱えない商材になった。
“マスいくら”とも呼ばれるマスの卵を使い、親子丼として提供していました。
この親子丼、10年前は980円でしたが、物価高騰なども直撃し、現在は税込み1880円です。
根室食堂・平山徳治店長:
この商品を扱うのをやめようかなと最近思っている。「この値段じゃ手が付けられないよね」と諦めモードになっている。
イクラを諦める店がある一方、たっぷりのイクラを売りに客を呼び込む店もあります。
渋谷にあるのは、イクラが食べ放題の海鮮バイキング店です。
以前は北海道産のイクラを出していましたが…。
海鮮バイキング 玉手箱・米満尚悟オーナー:
去年からアメリカ産のイクラを使っている。今年また値上がりするだろうというのは分かっているところ。
イクラの食べ放題プランは、税込み8778円から。
利益を考えるとギリギリだといいます。
海鮮バイキング 玉手箱・米満尚悟オーナー:
料金の改定も考えていかないといけない。もう少し安価なイクラを使用しなければいけなくなるかもしれない。
こちらの店では、秋にとれた冷凍イクラを仕入れて、1年通して提供しています。
海鮮バイキング 玉手箱・米満尚悟オーナー:
アメリカ産、ロシア産、カナダ産とかいろいろあるけど、北海道産ではないが1kg2万円は超えてくる。サケのイクラだけでなくて、マスのイクラも提供していて、食べ比べしていただこう。
年末年始に向けて、イクラの需要も高まる見込みです。
