物価の優等生とも言われる「モヤシ」。
先日、モヤシを生産する企業が事業を停止し、一時、ラーメン店などで「モヤシ争奪戦」状態となりました。
モヤシの平均価格は、ここ20年間で100グラムあたり20円を上回ったことはなく、まさに「物価の優等生」です。
その「価格転嫁しにくい構造がウィークポイントになっている」という指摘もあります。
物価高の中で窮地に立たされているモヤシ業界の現状を取材しました。
■トップクラスのモヤシの生産量を誇っていた「サイキ食品」が事業停止
大阪・北区のラーメン店では、モヤシの大盛りが無料で人気のトッピングです。
店にとっても、モヤシは欠かせない存在だといいます。
【たかばし・森田孝祐社長】「シャキシャキした食感なのでいろんな食感の中で楽しめる1つがモヤシ。3~4人に1人くらいは大盛りにする」
この「モヤシ」をめぐって、先日、業界に激震が走りました。
東京商工リサーチなどによると、トップクラスのモヤシの生産量を誇っていた埼玉県の「サイキ食品」が事業を停止。
その影響で、SNSでは、ラーメン店が無料のモヤシ増量サービスを取りやめる可能性を示したり、仕入れ先の確保に急いだりする投稿が相次ぎました。
■価格転嫁しにくい構造そのものがウィークポイントに
一時“争奪戦”とも言える状況となったモヤシ。
その背景には、モヤシ業界が抱える“深刻な課題”があります。
【東京商工リサーチ 藤本真吾さん】「薄利多売の商品は安定供給が確立されてきたものであるからこそ、『物価の優等生』的な立ち位置。価格転嫁しにくい構造そのものがウィークポイントになっている」
もやし生産者協会によると、2009年に235あった全国のモヤシ生産者は、廃業や倒産が相次ぎ、2026年度初めには86まで減少しています。
■20年間で100グラムあたり20円を上回ったことのない「物価の優等生」
モヤシの生産などを行う企業も、物価高の中で難しい経営を迫られています。
【サラダコスモ広報部 池上珠未さん】「みなさんがモヤシと聞いてイメージする価格があると思うので、すぐに(価格が)大きく変わるというのは現実問題難しい」
大阪市内のスーパーを訪ねると、モヤシ売り場には「ピンチをチャンスに乗り切るぞ」というポップが。モヤシ1袋38円で販売されています。
【フレッシュマーケットアオイ 内田寿仁社長】「価格の変動にお客様も敏感になる商品のでなかなか値段を上げづらい。ずっと安定して推移している」
モヤシの平均価格は、ここ20年間で100グラムあたり20円を上回ったことはなく、まさに「物価の優等生」です。
【買い物客】「よく買います。子どもたちもよく食べるので助かってます」
■生産者が減る影響は消費者を直撃する可能性も
家計の味方であり続けてきたモヤシ。だからこそ、業界は厳しさを増す状況となっています。
【サラダコスモ広報部 池上珠未さん】「いろんなものの値上がりは事実なので、そこの(値上がり分の)吸収が難しくなってくると経営として負担が大きくなっていくのではと思います」
東京商工リサーチの藤本さんは、生産者が減る影響は私たち消費者を直撃する可能性もあると指摘します。
【東京商工リサーチ 藤本真吾さん】「大量にモヤシを使う飲食店、安価で安定した供給を受けることが難しくなってきていて、一部メニューにも影響しかねないという懸念はしている」
(関西テレビ「newsランナー」 2026年10月13日放送)
