問題山積の福岡県議会。議員辞職した蔵内前議長が立ち上げた団体の抱える問題が、新たに浮き彫りとなった。議会棟に事務局を構え、多くの謎に包まれる団体の活動実態とは?
謎多き『九州の自立を考える会』
10月9日の福岡県議会の決算特別委員会で、正副議長ポストをめぐる金銭疑惑を告発した吉松源昭県議が質問に立った。

「『九州の自立を考える会』について伺います。事務所は、蔵内勇夫氏が長く自らの執務室として使用してきたことから、“議会棟の知事室”とも揶揄され、県の幹部が列をなしていたとも報じられています」

『九州の自立を考える会』の部屋は、福岡県議会棟の1階。歴代の議長や副議長のパネルがずらりと並んだその先にある。

議会棟の1階、いわば一等地に事務所を構える通称『九州自立の会』。道州制の実現を目指し、2011年に蔵内勇夫前議長が立ち上げた組織だ。

初代会長を蔵内氏自らが勤め、現在は、自民党県議団の原口剣生県議が会長を務めている。

会員には県議のほぼ全員が加盟していて、県内の自治体トップや大手企業など約200の個人や団体が名を連ねている。

議会棟に事務所があるものの公的な組織ではなく、あくまでも超党派の任意団体で、資金の流れや活動実態など、多くが謎に包まれている。

9日の委員会では、自身も会員である吉松県議が、その組織について切り込んだ。
「その後、道州制を巡る議論は下火となり、同会自身も『形の議論は棚上げした』としている。そして近年、同会が新たな柱として掲げているのが『ワンヘルス』です。

『九州の自立を考える会』は、その政策の形成や推進に具体的にどのように関わっているのでしょうか?」

これに対し、県の担当者は、「アジア防疫センターの九州への設置について提言頂き、これをきっかけにアジア新興人獣共通感染症センター(仮称)の誘致に向けた取り組みに繋がっている」と答えた。
活動実績は海外での『ワンヘルス』
テレビ西日本が入手した『九州の自立を考える会』の内部資料。

最近の活動実績を見てみると、エジプト・カイロで『ワンヘルス』、フィリピンでの『ワンヘルス』、韓国でも『ワンヘルス』。

県議会同様、海外での『ワンヘルス』に関係した活動が並んでいる。

1人あたりの会費は年間3万円で、会費だけで約600万円の収入を得ている。

会員の1人は、3万円の会費について「断ると面倒なので仕方なく払っている」と本音を漏らした。

こうした実態について、吉松県議は、「会費の多くは、『海外視察に使われてきた』との話もあり、これも形を変えた“カツアゲ”ではないかとの声も上がっています。任意団体である『九州の自立を考える会』からワンヘルス政策について提言を受け、県が連携して政策を進めていく必要性がこれからもあるとお考えですか?」と執行部に率直な疑問を投げかけた。
県が蔵内氏に様々な形で“気遣い”か
内部資料によると、事務所の年間の使用料は光熱費などを含め、56万9000円余りとなっている。

吉松県議は、長年、県が蔵内前議長に過度な“気遣い”をし、この団体に対して様々な“配慮”を続けてきたのではないかとの疑念についても問い質した。

「4年で1億円を超える県費を負担してきた『アクロス福岡』13階にあるFOF事務所(FAVAワンヘルス福岡)といい、著しく低価格の使用料の『九州の自立の会』といい、蔵内勇夫氏が代表を務めた組織に対して、県が著しく優遇しているという構図が非常に目に付く。次回の使用許可に当たっては、この団体の現在の役割と議会活動との関連性を改めて検証した上で、使用許可の可否を判断すべきではないかと考えますが、県の見解をお聞かせ下さい」
この質問に対しては、議会事務局の担当者からは、はっきりとした回答は得られなかった。

では、トップである原口会長は、この『九州の自立を考える会』という組織を今後も存続させる必要があると考えているのか、直撃した。
原口会長は、「副首都構想も含めた中において、地域の活性化、九州全体を考える一極集中。東京にあってはならないという中で、この『自立の会』ができたと思うので、会員の方々がどういう風に考えていくか。まず、お聞きしないと私個人が勝手に決めることはできない」と答えるに留めた。

任意団体という形をとっているため監視の目が届きにくい『九州の自立を守る会』。

金銭授受疑惑でも名指しされている原口会長が、今後、どのように会を運営していくのか。

県が手厚い支援を続けている団体だけに、活動内容や資金の使い途なども含めて、自ら積極的に公表し、透明性を高めていくことが求められている。
(テレビ西日本)

