2026年11月に行われる福岡市長選挙に出馬しないことを明言している高島宗一郎市長。市長として最後の議会が10月8日、最終日を迎えた。“日本一元気な街”を実現する過程で対立することも多かった議会に、最後に語った言葉とはー。
“適度な緊張関係”保った4期16年
「執行部と議会が適度な緊張関係を保ちながら、時には厳しく議論を交わし、時には力を合わせる。その積み重ねこそ、二元代表制の下で市政を前に進めていく原動力であり、この16年間、議員の皆様と共に歩んでこられたことを大変、意義深く、ありがたく感じております」
福岡市議会の9月定例議会。最終日を締め括ったのは、高島市長だった。「基盤が整った今、これから選ばれる新しいリーダーの下、福岡市は、今後、更なるチャレンジに向かうことができる。そう確信しています。

これからも福岡市がチャレンジする人を応援し、チャレンジする企業を受け入れ、子供達が夢を描き、高齢者が安心して生活できる。アジアで最も幸せな市民が住む街であることを心から願っています。16年間、本当にありがとうございました」

これまで4期16年にわたり、福岡市政の多岐にわたる政策について喧々諤々の議論を続けてきた市議会の議員に、高島市長は万感の思いを込めて感謝の気持ちを伝え議場を後にした。

局アナから36歳で福岡市長へ
2010年11月、地元民放のアナウンサーから政治の世界に飛び込み、36歳の若さで初当選を果たした高島市長。

当初は自身が語るように、その「若さからくる行動力」で既得権益の打破や規制緩和を次々と断行し、議会と対立することもしばしばだった。

ぶつかり合うことも多かった自民党の市議は、「大丈夫かな?というのが正直なところであったと思う。市長、よく頑張ってこの16年間、福岡市もしっかり成長したと評価もしていますが、我々市議会もしっかりやってきた、と。だからこそ、この福岡の発展があると、自負している」(平畑雅博議長)と振り返った。

また、公明党福岡市議団の大石修二団長は、「しばらく休んで、また頑張りたいと思っているのではないか。能力の高い方なので、引く手あまただと思っているので、ぜひ頑張って頂きたい」と高島市長の今後にエールを送った。

一方、5期目を敢えて目指さず退任の道を選んだ高島市長に対し、厳しい見方もー。

「天神ビッグバン、博多コネクティッド、ウォーターフロント、そして九大跡地、こういう大型開発を同時並行で進めていくって言ったら、なかなか難しいことが次々と出てくると思う。そういう中で、やっぱり今のうちに引いておいた方が得策かと…」(日本共産党福岡市議団 中山郁美団長)。
争点乏しく候補者乱立の市長選へ
“ポスト高島”を選ぶ選挙が、1カ月後に迫る中、これまでに12人の新人が立候補を表明。
しかし、支持率75%を誇った高島市長と比べると圧倒的な知名度を持つ候補者がおらず、市民からは、“本命不在”で「盛り上がりに欠ける」との声も多く聞かれる状況だ。
こうした中、前衆院議員の稲富修二さん(56)が、無所属で立候補する意向を固め、支援者と共に出馬準備を進めていることが分かった。稲富氏を含めると、既に13人が福岡市長選挙に立候補の意欲を見せており、かつてない候補者乱立の様相を見せている。

加えて、多くの候補が絶大な支持を得ていた『高島市政の継続』をアピールしていて、明確な争点がない点も選挙戦が盛り上がらない要因と言われている。
成長を続ける福岡市の舵取りを誰に託すのか?130万人を超える有権者の選択が迫られている。
(テレビ西日本)

