福島第一原子力発電所2号機で、3回目の燃料デブリ「試験的取り出し」作業は10月2日に着手される。東京電力が公表した。
2号機では2024年と2025年にそれぞれ1回ずつ、計2回の「試験的取り出し」を実施していて、これまでに合計約0.9gの燃料デブリが採取されている。3回目の採取にはこれまでとは違う大型のロボットを使用する計画となっている。
2011年の福島第一原発事故当時、1~3号機は稼働中で炉心に核燃料が格納されていたが、地震と津波で電源が失われたことで炉心を冷やす機能が喪失。核燃料が過熱し、金属やコンクリートを巻き込んで冷え固まったものが“燃料デブリ”となった。
福島第一原発に残る燃料デブリは1号機に279t、2号機に237t、3号機に364tの計880tと推計されているが、今もなお、強い放射線を発し続ける燃料デブリには、人が直接近づくことはできないため、正確な位置や形状の全容は把握しきれていない。
この燃料デブリへの対応は、廃炉の“最難関”であり“本丸”とされている。
2021年に計画されていた燃料デブリの試験的取り出しは、ロボットの開発の遅れなどにより延期されていた。福島第一原発では、事故後13年8か月が経過した2024年11月にようやく、2号機で初めてとなる燃料デブリの採取に成功。その後、2025年4月に2回目の採取を実施した。格納容器につながる配管の中に、事故の熱で溶けたケーブルなどが固まって詰まっていたため、2回の採取とも、開発が進められていた大型ロボットではなく、狭い場所を通ることができる“釣り竿型”のロボットを使用していた。
3回目の試験的取り出しはようやく大型ロボット“ロボットアーム”が投入されることになる。全長は約22m、重さは約4.6t。製作にかかった費用はこれまで約78億円と公表されている。ロボットアームは4月に福島第一原発に搬入されたが、水の侵入による“サビ”の影響とみられる不具合でアームが伸びなくなる事象が発生。部品の交換作業と動作確認が行われてきた。
今回の作業においては、ロボットアーム先端が格納容器に入るための弁を通過することが作業への“着手”となり、格納容器内の3Dデータ等の取得を経て、燃料デブリの“採取”作業に入る見通しで、“着手”から“採取”までの間に3~4か月かかるとみられている。
国と東京電力が掲げる「2051年の廃炉完了」まで残り25年。3号機でも2037年度以降に燃料デブリの大規模取出しが計画されるなど“廃炉の本丸”への対応が廃炉に向けた大きな課題のひとつとなっている。
