福岡県議会の金銭授受疑惑を証言した県議が、その“新たな証拠”として通帳のコピーを第三者委員会に提出したことを巡って波紋が広がっている。金銭を受け取ったと指摘されている県議らの受け止めを取材した。
1000万円の出入金記録が残った通帳
「『払った』『払っていない』という場合は、実際に通帳でお金の動きがあったかどうかが、裁判上、大きな証拠になるらしい。そういった意味では、第三者委員会で大きな証拠と扱って頂けるものと思う」と話すのは、福岡県議会の正副議長を巡る金銭授受疑惑を告発した吉松源昭・県議だ。
吉松県議は、2019年に中尾正幸・元県議に要求され松本国寛・県議へ渡したと主張している現金1000万円について、出入金の記録が残った通帳のコピーを9月29日、第三者委員会に証拠として提出した。

吉松県議は、この2人を含む自民党県議団の幹部5人に現金を手渡したと主張しているが、その幹部らは一貫して受け取りを否定している。

「客観的な証拠が出てきたわけですから『もらっていない』と言われる方は、もらっていないという証拠を出さないといけないと思う」と話す吉松県議。

この記録によって吉松県議の告発の信憑性が高まったとの見方もあるなか、金銭を受け取った1人とされる松本県議は「終始一貫、申し上げておりますけれども私は、その事実はありません」と否定した。

蔵内勇夫・前議長は取材に応じず
更に松本県議は「お金の流れについて、(吉松県議が)自分で資料が見つかったという話であって、翌日、私に渡したということは別の話だと思います。真実はひとつですから、きちんと第三者委員会の弁護士の方に説明して状況を捉えて頂きたい」としたうえで第三者委員会には、受け取ったとされる日についての記憶や記録を整理した資料を提出したいとしている。

吉松県議が、金銭を渡したと主張する他の県議も取材に応じた。
松尾統章・県議は「そうした資料も含めて、第三者委員会が聞き取りを始めるでしょうし、評価していくんじゃないかなと思っています。私が、いま言えるのは『誠実に対応していこう』とそれだけです」と話した。

原口剣生・県議は「粛々とやりますから。以上です」と言葉少なに応じた。

一方、1000万円を要求したとされる中尾元県議や、一連の金銭授受に関わった疑惑のある蔵内勇夫・前議長は取材に応じなかった。

第三者委員会委員長「白黒はっきりさせる」
吉松県議が新たな証拠として提出した出金記録は、第三者委員会の調査にどのような影響を与えるのか。

吉松県議の証言によれば、まず2019年9月下旬に中尾元県議から1000万円を要求され、同年の10月11日に知人から借りた1000万円が、吉松県議の管理する口座に振り込まれた。吉松県議はその借用書も公開していて、今回、新たに銀行口座の記録を公表している。

その通帳には10月15日に吉松県議が1000万円を引き出したことが記載されていて、同じ日の15日には、吉松県議が現金の受け渡しを話し合う様子が音声データに記録されている。そして翌16日に「1000万円を手渡した」と証言している。

一方、中尾元県議や松本県議は疑惑を一貫して否定していて双方の主張が完全に対立している状態だ。

第三者委員会の調査は「事実認定が非常に難しい」「ハードルが高い」とみられるなか、第三委の委員長の森山大輔・弁護士は「県民の関心が高いことは認識している。『何もはっきりしたものが分からない』という、目的を達せられない内容を報告書に書けない」と述べ、白黒はっきりさせた報告書にする考えを示している。
(テレビ西日本)

