鹿児島市が運営する桜島フェリーが、早ければ2027年夏にも大幅な運賃値上げを実施する方向で検討を進めている。現在250円の大人運賃を400円に引き上げる方針で、値上げ幅は150円とこれまでで最も大きい。9月29日には専門家らによる審議会が開かれ、改定の妥当性について議論が行われた。
大人運賃を250円から400円へ、子供も値上げ
鹿児島市船舶局が示した方針によると、現金やクレジットカードなどで支払う場合、大人の運賃は現在の250円から150円増の400円、子供の運賃は130円から200円に引き上げられる。
一方で、桜島の住民への配慮として、定期券や回数券、ラピカなどの支払い方法と車両運賃については据え置きが検討されている。住民の日常的な移動手段として欠かせないフェリーだけに、生活への影響を最小限に抑える狙いがある。
値上げが実施されれば、年間約2億300万円の増収が見込まれるという。
「あまり間を置かない改定」 経営悪化が背景に
桜島フェリーの運賃値上げは2014年から段階的に進められており、2024年夏にも200円から250円へと引き上げられたばかりだ。それからわずか数年での再値上げとなる。
鹿児島市船舶局の橋口訓彦船舶局長は「あまり間を置かない改定で、非常に皆様にはご迷惑をおかけする形になるが、桜島フェリーの持続的な経営のためには、やむを得ない。ご理解ご協力をお願いしたい」と語り、厳しい経営状況が値上げを余儀なくさせていることを説明した。
利用者の声「高い。きつい」「でも仕方ない」
値上げの方針に対し、利用者からはさまざまな声が上がっている。部活の大会で桜島フェリーを利用していた高校生は「高い。厳しい。きつい」と率直な感想を漏らした。
垂水市在住の利用者は「困る。でも仕方ない。物価も上がっているし」と複雑な思いを語りつつも、定期券や回数券の据え置きについては「それはいいと思う。安いのはうれしい」と評価した。
一方、千葉から訪れた観光客は「観光フェリーではなく生活フェリー。観光客にとっては250円は安い」と現在の運賃を安価と感じており、400円になっても「まあ、乗るでしょうね」と前向きな反応を見せた。
29日に審議会を開催、今後の判断が焦点
9月29日、桜島港フェリーターミナルで開かれた船舶事業経営審議会では、運賃改定に至った経緯や値上げの必要性について市当局が委員に説明した。会議は冒頭以外、非公開で行われた。
審議会は今後、運賃改定が妥当かどうかを判断する。妥当と認められれば、鹿児島市は2027年7月からの値上げ実施を目指す方針だ。地域住民の足として長年親しまれてきた桜島フェリーが、持続的な運営を続けるための岐路に立たされている。
【動画で見る▶桜島フェリー運賃値上げ巡り審議 大人運賃で150円の値上げの方針】

