30年にわたる議論に終止符です。新潟県五泉市は10月、村松地区中心部の住居の表示を変更します。昔から親しまれた町名を生かした変更は町や住民にどんな変化をもたらすのでしょうか。
【五泉市 田辺正幸 市長】
「30年という長きにわたっての市民との対話だったと私は思う。それは裏返すと、市民の皆さんが城下町・村松に対しての愛着・思いがあったから」
村松地区の住居表示を10月13日に変更する五泉市。
村松地区は江戸時代、城下町『村松藩』として栄え、城町や寺町など昔の町名が“通称”として親しまれてきましたが、正式な住所は『村松甲』などと表示されていました。
【住民】
「町中『ここから甲、ここから乙』ではなく、入り組んで甲と乙があり、甲何番地、乙何番地と言っても、どこだか分からない状態」
通称と住所が一致せず、郵便配達や通報などでも混乱が生じかねないとして、1996年に始まった住居表示変更の議論。
これまでには対象地域を5分割し、東西南北で表記する案が持ち上がり…
【住民(2014年)】
「一度失った町名は二度と復活することはないでしょう。かけがえのない財産を失うことになる」
慣れ親しんだ町名を失うことへの反発が相次ぎました。
紆余曲折を経て、市は去年、対象地域を32に分け、昔からの通称を生かした住居表示にする方針を決定。
【松村道子アナウンサー】
「この辺りは、かつて城下町をつくる際に、鍛冶職人をまとめて住まわせたことから『鍛冶丁』として親しまれてきました。新たな町名は『村松鍛冶丁』となります」
馬術の練習場があった馬場丁は『村松馬場丁』という住居表示に。
【五泉市 田辺正幸 市長】
「3万石の城下町の伝統文化を重んじたい。それが住んでいる皆さんのアイデンティティ」
10月からの住居表示の変更に住民は…
【住民】
「町の方は代々ご苦労なさってきたが、いずれは変えていただいたほうがありがたいと思っていた。今回すっきりして喜んでいる」
【住民】
「住んでいる人は誇りを持って生きている方が多い。町名が残り、いいことだと思う」
分かりやすさや愛着に加え、市が期待するのは観光への影響です。
【五泉市 田辺正幸 市長】
「名所を巡ってみて、本当にそこに何があったのか、馬場丁であれば馬の練習をしたのはどんな感じなのか、思いをはせる場面が色々出てくるのではないかと思う」
一方、今後は不動産所有者の住所変更など、住民が自ら行う必要のある手続きもあり、市は丁寧に説明していくとしています。
