兵庫県は先週、県立病院の昨年度の収支が、およそ119億円の赤字だと発表した。
地域に欠かせない公立病院に迫る危機、その実態を取材した。
兵庫県姫路市にある、県立はりま姫路総合医療センター。
播磨姫路地域で唯一、生命の危機にある重症患者を受け入れる三次救急を担っている。
病院の利用者:主人がここに運ばれて。透析せなあかんってここでしてもらって、あかんいわれたけど助かって。
いわば「地域の命のとりで」。
しかし、そんな公立病院に今、危機が迫っている。
■CTは使用基準を過ぎても 県立病院は昨年度119億円の赤字
公立病院は、コストのかかる高度な医療を提供しているが、物価高や人件費の高騰で慢性的な赤字に。
兵庫県は先週、県立病院の昨年度の収支がおよそ119億円の赤字と発表した。
こうした中、はりま姫路総合医療センターではCTを県が定める使用基準の11年を過ぎて、13年目になっても使用を続けている。
さらに…
はりま姫路総合医療センター・水田宜良救急救命センター副センター長:医療用のモニターになるんですけども、バッテリーの問題があって故障が続いてます。部品交換する予算がなかなか確保できない。

■全ての県立病院でMRIなど「高額医療機器」の更新が凍結
設備更新の予算を確保できないその背景にあるのが、兵庫県の財政難だ。
そもそも兵庫県は新たな借金に許可が必要な「起債許可団体」に14年ぶりに転落するなど、深刻な財政難に陥っている。
そうしたことから今年度、全ての県立病院でMRIなど「高額医療機器」の更新が凍結されているのだ。
はりま姫路総合医療センター・木下芳一院長:(更新基準より)少し長めに使わないといけないということは、あちこちの機械で発生していて、そうなると、故障する頻度が高くなったりするわけです。
こちらの病院には他にもロックが壊れたストレッチャーや、無駄な手袋の使用を控えるよう呼びかける張り紙も。

■「独立採算で実施することが原則」斎藤知事
一方、兵庫県の斎藤知事は…
兵庫県・斎藤元彦知事:(県立病院の事業は)独立採算で実施することが原則になっています。持続可能な経営については県立病院が主体的に実施していただくことが大事だと思います。

■「ドクターカー」を導入するためクラウドファンディングを実施
苦境の中、自力での経営努力を求められる公立病院。そんな中、新たに始めたことがある。
兵庫県立はりま姫路総合医療センターでは、救急車型のドクターカーを導入するために、クラウドファンディングを行っている。
医師や看護師を乗せて救急現場へ出動する「ドクターカー」。
現在は運用を始めてから14年がたつ「乗用車型」を使っていますが、簡単な機器しか積み込めない。
そこで、高度な医療ができ、患者の搬送もできる「救急車型」に更新したいと考え、4500万円を目標に、掲げている。
はりま姫路総合医療センター・水田宜良救急救命センター副センター長:クラウドファンディングで車が買えても、結局財政は何も変わってない。そこは意識しながら。医療は皆さん平等に届けることができたらなとは思っています。そこは現場の人間としては変えずにやっていきたい。
地域医療を守るための懸命の努力。現場の声に、行政も耳を傾ける必要がある。
(関西テレビ「newsランナー」 2026年9月21日放送)


