先日、ドイツで行われた国際音楽コンクールで、日本人のカルテットが3位に入賞しました。世界最難関とも言われるこのコンクールで輝きを放った弦楽四重奏団「カルテット風雅」のメンバーの1人が、大野市出身のチェロ奏者・松谷壮一郎さんです。
鯖江市内で22日に開かれた、カルテット風雅の初の凱旋公演の様子と、松谷さんの音楽にかける思いを取材しました。
鯖江市内で22日、世界的に権威のあるドイツのミュンヘン国際音楽コンクールで3位に入賞した弦楽四重奏団「カルテット風雅」の演奏会が開かれました。この中でチェロを担当しているのが、大野市出身の松谷壮一郎さん、25歳です。
3歳からチェロを始めた松谷さんは、京都市交響楽団のバイオリニストである母・由美さんの影響もあり、練習を続けてきました。
プロのチェロ奏者になりたいと強く思うようになった松谷さんは、大野高校時代に東京に通ってレッスンを重ね、全日本学生音楽コンクールの高校の部で3位に輝きました。その後、東京芸術大学に進学。大学院在籍中に2001年生まれの4人で結成したのが「カルテット風雅」です。
ミュンヘンのコンクールは、4人にとって憧れの舞台でした。若手音楽家の登竜門として知られるこのコンクールでの3位入賞は快挙です。
松谷さんは「コンクール前は結果を残さなきゃいけないと思っていたんですけど、それがコンクールの期間は吹っ切れて、音楽にのめり込んでしまって、こんな経験初めてだなと思うぐらいに、言ってみればモードに入るというか…なので、あまり緊張はしなかった」と振り返ります。
鯖江で開かれた演奏会は、受賞後初の凱旋公演となりました。激しく積み重なる音、ぴたりと息の合った演奏で観客を魅了しました。
「全員が音楽に対して妥協がないというか、音楽に対してどん欲。特に僕はそれがないと一緒にやっていけないというのがあって、より深いところ、広いところまで突き詰めて、音楽を、特に弦楽四重奏の分野を極めていきたいという思いが合致した」(松谷さん)
10月には、ドイツで最も名高い芸術大学に4人で留学します。舞台が世界に移っても、ふるさと大野への感謝を忘れることはありません。
「色んなエッセンスが浮かび上がるきっかけは、やっぱり大野だと思っている。この自然豊かなところでのびのびと育ててもらい、人の温かさというか、大野では本当に老若男女と会話が続いているようなことが、音楽性の豊かさにつながっているのかなと思っているし、大野で育んだ時の記憶をよみがえらせて、音楽をもっと豊かにしたいなという」
大野での記憶を大切にしながら、今後はヨーロッパで生活に根ざした音楽を学びたいと意気込む松谷さん。仲間とともに、また新たなステージへ踏み出します。
