ロシアによるウクライナ侵攻から4年半。
長期化する戦争の中、福山市で行われているある展示会を通してウクライナの今を見つめます。
福山市人権平和資料館。
【石井百恵記者】
「こちらでは週末の日曜まである展示会が開かれています。タイトルは『ウクライナの今』です」
そこには、ウクライナの現状を伝える写真や絵が並びます。
【福山市人権平和資料館・寺地靖仁副館長】
「日本人にとって記憶が薄れている時期に入っています。
身近な問題としてもう一度とらえ直してもらおうとこの企画展を企画しました」
『避難とは、単に場所を移すことではありません。
失われた日常を少しずつ取り戻し新しい土地で希望を見つけていく歩みです』
(アンナ・セメネンコさんの手記より)
企画展の中心には、福山市で避難生活を続けるウクライナ人親子の手記が展示されています。
アンナ・セメネンコさん。
2022年6月、幼い娘2人を連れて福山市へ避難してきました。
次女のソフィアちゃんは当時、まだよちよち歩きで抱っこが必要でした。
あれから4年。
【ソフィアちゃん】
Q:ソフィアちゃん何歳?
(指で5を表す)
【アンナ・セメネンコさん】
「小学生になる時間を待っている」
4年半前、ウクライナで撮影された最後の家族写真です。
家族4人で穏やかに暮らしていた幸せな日々は、ロシアによる侵攻が始まったあの日、一変…
空爆を逃れるため食糧庫だった地下に身を寄せ不安な日々を過ごしました。
侵攻から3カ月後、国から出られない夫を残し、子供2人とともにかつて暮らしたことのある福山市へ着の身着のままやってきました。
【ウクライナから福山市へ避難 アンナ・セメネンコさん】
「もし子供がけがを負ったり殺されたりしたら、自分を責めると思いました」
「こどもの命と心を守りたい」
一時避難のつもりでしたが、戦争は終わらず避難生活は続きました。
小学3年生の長女エヴァちゃん、すっかり日本の小学生です。
企画展に手記を寄せたアンナさんが、いま一番伝えたいことは?
【アンナ・セメネンコさん】
「一番知ってほしいことはこの戦争中にこどもの心が壊されている」
会場には、ウクライナから寄せられた子供たちの絵が展示されています。
3歳のアレクサンダーくん。
初めて描いた乗り物の絵は…
会場に並ぶ絵の数々からは、戦争の中で暮らす子供たちの様子が伝わってきます。
【アンナ・セメネンコさん】
「私の思うことは人の一番大事な頃が子供の頃です。幸せの子供の頃が誰でも壊されるのが絶対ダメなことです」
子供の笑顔を守るために日本で暮らすアンナさん。
願いはただ一つです。
【アンナ・セメネンコさん】
「一番の願い事は戦争が終わってほしい。自分の生活がしたい。ずっと5年間ウクライナ人たち自分の生活できなくなっている。家族4人の暮らしがしたい。一緒に料理とかしたい。遊びたい。話したい。それだけ」
人として当たり前にあるべき日常。
そのささやかな願いが叶うことを信じて今を必死で生きています。
「ウクライナの今」~今も続く避難生活~
9月13日(日)まで福山市人権平和資料館で
