「完全に日用品狙い。店で買うよりこっちのほうが安くあがるので」——富山県高岡市のクレーンゲーム専門店に、客が続々と訪れている。狙うのはぬいぐるみでもフィギュアでもなく、新鮮なキャベツ、卵、トイレットペーパー。クレーンゲームの景品が、大きく様変わりしている。

1日4500人が訪れる専門店

富山県高岡市にある「トレジャーランド高岡店」は、330台ものクレーンゲームを擁する専門店だ。週末の賑わいは特に激しく、多い日には1日で4500人あまりが来店するという。毎週通うという常連客も少なくない。



同店の大きな特徴は、330台のうち半分が日用品を景品としている点だ。景品として並ぶのはペットボトル飲料、パン、卵、キャベツ、トイレットペーパーと、まるでスーパーの売り場のような品揃え。そのどれもが1回100円から挑戦できる。

「買うよりとったほうが面白いかも」
日用品がクレーンゲームの景品として登場し始めたのは、約3年前のことだという。一般社団法人日本クレーンゲーム協会の中村秀夫代表理事は、その背景をこう説明する。

「日用雑貨が入ってきたのは3年ぐらい前。クレーンゲームが店に増えることで女性が増えて、カップルが増えた。次に増えるのがファミリー。客層が広がってきたから、中の景品の幅が広がってきた。買うよりとったほうが面白いかもみたいな」
物価高が続く中、「遊び」と「お得」を同時に満たせる場として、クレーンゲームへの注目が高まっている。トレジャーランド高岡店の細川寛子さんも「遊べるところでもあるけれど、『日用品もとれる』ので、人気が出ていると思う」と話す。
テクニック不要、カゴが山盛りに

来店客の声を聞くと、利用動機はさまざまだ。「お菓子とか飲み物とか結構高いので、(子どもが)自分でとってくれたら助かる。お小遣いの範囲内で」と語る保護者もいれば、「スーパーでこれだけの本数買うとなると全然安いと思う」とペットボトルを大量にゲットした客もいる。卵を狙う理由を問われ、「美味しいから」と答える客の姿も印象的だった。

景品を次々と獲得するコツについて、細川さんはこう解説する。「フックの設定もあるので、テクニックがあまりいらない。すごいとられる方はカゴ3台持ちになる方もいたりする」。実際、定点カメラの映像には1回でゲットする挑戦者が続々と映り、来店客からも「リングのフック設定がとりやすい」との声が聞かれた。

主婦・ファミリー層へ広がる客層


かつてクレーンゲームの主な利用者は若年層が中心だったが、日用品・食品の景品化によって客層は大きく広がった。今では主婦やファミリー層の姿が目立ち、物価高の節約術として活用する人も増えている。「上手になれば100円でとれると思ったらお得かもしれない」という来店客の言葉が、現在のクレーンゲーム人気を表している。
景品は定期的に新しいものへ入れ替えており、今後どのような品が並ぶかも楽しみの一つだ。遊ぶ喜びとお得感を兼ね備えたクレーンゲームの進化は、まだ続きそうでだ。
(富山テレビ放送)

