唾液から「がん」にかかるリスクがわかる最先端の検査がある。これを開発したのは鶴岡市のベンチャー企業。鶴岡市とも連携協定を結んでいるこの企業の、地域から始まる先端医療の取り組みを取材した。
鶴岡市に本社を置くサリバテック。
がん罹患(りかん)のリスクを診断する検査キット。
検査のため採取するのは、血液ではなく「唾液」。
唾液の検査を意味する「サリバチェッカー」は、唾液に含まれる代謝物をAIを活用して解析し、がんにかかるリスクを調べるという検査。
(サリバテック研究開発部・杉浦一徳部長)
「特別な検査を受けるために病院に行く必要もなく、自宅で唾液を採取するだけで簡単に受けてもらえるのがこの検査のメリット。一度、唾液を送ってもらうと、これらすべてのリスク検査を同時に受けてもらえるのもメリット」
リスクが調べられるがんは6種類。
膵がん・肺がん・胃がん・大腸がん・乳がん・口腔がんで、それぞれのリスクが4段階で評価される。
サリバテックは、慶応義塾大学先端生命科学研究所の研究成果をもとに、2013年に鶴岡市で創業したバイオベンチャー企業。
2026年2月、サリバテックは、鶴岡市と地域住民の健康増進に関する包括連携協定を結んだ。
(サリバテック営業部・菅原健央企画推進部長)
「我々サリバテックが本社を構えるのがここ鶴岡市になります。また、技術の種が生まれた場所も慶応義塾先端生命科学研究所由来となっている。まずは技術成果を市民の方々に還元させてもらいたいとの思いで包括連携協定を結んだ」
この協定に基づき、鶴岡市民を対象に「膵がん」のリスク検査を低価格で提供する取り組みが来週から始まる。
(サリバテック研究開発部・杉浦一徳部長)
「(Q.なぜ膵がん検査にスポットを?)第一に膵ガンは国が推奨する五大がん検診に含まれていない。自覚症状も出にくいがんで、見つかった時にはすでに進行していて有効な治療が難しい問題があった」
膵がんは早期発見が難しく、「最も予後の悪いがん」とされていて、研究で生まれた技術をまず創業の地に還元し市民の健康を支えたい、そんな思いが今回の協定につながったという。
(サリバテック営業部・菅原健央企画推進部長)
「この形を成功モデルとしてほかの自治体にも広げていきたいと考えている。今後は研究を進め、がん種の追加やがん以外の病気がわかる可能性も出てくると思う。これを国内外問わず広め健康管理の文化を広めていきたい」
先端研究を地域の健康に生かす。
鶴岡からはじまる新たな医療の挑戦が、全国・世界へと広がるモデルとなるのか注目される。
