北海道で暮らす働くママの1日を追いかける観察ドキュメント「ママドキュ」。
子育ても仕事も頑張りながら働くママさんたちのリアルな1日をのぞくと、限られた時間で家事・育児をこなす究極の時短ワザの連続でした。
今回の主役ママは、札幌市中央区に住むさやかさん39歳。4歳の元気いっぱいな男の子のママで、夫・えいすけさんのコーヒー専門店を手伝いながら、自宅でバイオリンを教えています。
コーヒー専門店とバイオリン教室の2刀流。隙間時間をうまく使って家事をこなす、さやかさんの1日に密着しました。
午前7時40分、朝食作り。忙しい朝の定番は、お湯に卵を落としてすくうだけのポーチドエッグが定番。
「油を使ったり、フライパンのふたを洗ったり面倒くさいけど、ポーチドエッグが私の中では楽な卵料理」とさやかさん。
味付けはお気に入りのだし醤油だけです。
うどんや冷ややっこなどにも合うというお気に入りの醤油を常備。香川県にある老舗、鎌田醤油の「だし醤油」は、本醸造しょうゆに厳選した3種類のだしがブレンドされていて、これ1本で丁寧に味付けしたような味に仕上がるんですって。
朝ごはんを食べたら、すぐに出発準備。
体力が有り余るさいもんくんは、ずーっと家の中を走り回っています。そんな合間に、パパっと歯磨きを済ませ、午前9時には幼稚園に送ります。
自宅でバイオリン教室を開いているさやかさん。通勤時間がない分、朝はゆとりがあるのですが、掃除をして、家をきれいに保たないといけないのが大変なところ。
ロボット掃除機を活用しつつ、その間に自分の練習です。
愛知県出身のさやかさん。3つ上の兄が習っていた影響で、3歳からバイオリンを始めました。
ピアノの先生だった母の熱心なサポートもあり、高校、大学と音楽の名門に進学。結婚を機に北海道に移住してからも、ソリストとして札幌交響楽団と共演するなど、輝かしい経歴を持つバイオリニストなんです。
パパ・えいすけさんのお店の事務作業もさやかさんの仕事。
2019年にオープンしたスペシャリティコーヒー専門店「宮の森 アルケミストコーヒー」。札幌のミシュランシェフなど、本物の味にこだわる人たちがこぞって愛用していることでも知られています。
そのブランド価値は今や全国区に。
開店前から発送作業で大忙しです。
そんな人気店を作り上げた夫・えいすけさんも、実はすごい経歴の持ち主。
えいすけさんの父、川原正之さんは、スピードスケートの元オリンピック選手。日本代表のコーチも務めた父のもと、3歳の頃から当たり前のようにオリンピックを目指してきました。
ところが思うように結果が出ず挫折し、大学を中退。
「親の顔に泥を塗ったという気持ちが1番大きくて…。父は名選手であり名コーチ。『人は教えられても自分の子どもは教えられなかった』と言われているのではと思い、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいで、地元(帯広)でもなるべく人に会わない仕事を探していて…」とえいすけさん。
一時はうつ状態にまで追い込まれたこともあったのだそう。
自分の生きる道を探す途中で、衝撃を受けるほどおいしいコーヒーに出会い、飲んだらふと心が軽くなる経験をしたことが、今の仕事につながっているそうです。
「心が軽くなるようなコーヒーを朝1杯飲むことによって、自分にやさしくなれたら、他人にやさしくなれたら、それが街に広がっていって、あわよくば、過去の僕のような、落ち込んでいる人の扉をノックできたら、やっている意味がすごくある」と、えいすけさんは話します。
バイオリンとスピードスケート。ジャンルは違っても、幼い頃から、自分が置かれた環境で努力を重ね、青春もささげてきた2人。
今、自分の好きなことを仕事にして生き生きと働くえいすけさんを、さやかさんは全力でサポートしたいと考えています。
「無理せずに、自分らしく生きていけるのが一番いい。自分の好きなことで、自分らしく輝いてほしい」と話します。
午後2時30分、コーヒー店の仕事を終え、今度は自宅でバイオリンのレッスン。
バイオリン歴4年の小学1年生の男の子、バイオリン歴8年の小学5年生の女の子のきょうだい、バイオリン歴10年の中学1年生など、次々とレッスンをこなします。
午後6時、さいもんくんが帰宅。
お迎えは仕事の合間を縫ってパパが担当。パパは再び仕事に戻ります。
さやかさんは、夕食作り。野菜はレッスンの合間に下ごしらえしていました。5分くらい合間の時間があると、野菜を洗ったり、ゆでたり、少しでもできることをやってしまうのだそう。
1品目はツナとほうれん草のサラダ。
ツナにオシャレなオリーブオイルを加え、砂糖、レモン汁、だし醤油(麺つゆ)で味付け。ゆでたほうれん草を合えれば完成です。
「調味料は何か月に1回とかで買うものなので、その時、幸せになれるものをという感じで、値段関係なくおいしいものを選ぶようにしている」とさやかさん。
そして、パスタのソースはもう完成していました。
作り置きしたものを解凍して、トマト缶を入れて、ケチャップやマスタードで味を調えればミートソースの完成です。
午後7時に子どもと2人で夕食。
わが子との今しかない時間を大切に。でも、いずれはまたステージで輝きたい、そんな思いも明かしてくれました。
「彼(子ども)が親と一緒にいるよりも友達と…となってきたら、私もまた自分の時間で演奏活動をしたい」とさやかさん。
「クラシックの音楽って難しいと思っていたけれど、楽しいんだなと思ってもらえるようなコンサートができたら。お子さんも楽しめるような、楽しいことをやりたいなと思っています」と話してくれました。
