鹿児島県鹿屋市にはかつて「桜デパート」という大隅半島で唯一のデパートがありました。
そんな桜デパートの名物、「桜まんじゅう」を夏祭りで復活させた女性たちの挑戦を紹介します。
とある日の、鹿屋市のカフェ。
試行錯誤しながら、まんじゅうを焼くのは鹿屋商工会議所女性会のメンバーたちです。
彼女たちは、鹿屋市にかつてあった「桜デパート」の人気商品、「桜まんじゅう」の復活に取り組んでいました。
鹿屋商工会議所女性会のメンバー
「桜デパートのマークが入りました!見ているのと自分でやるのは全然違いますね」
1953年、大隅唯一のデパートとしてオープンした「桜デパート」。
買い物はもちろん、絵画展や観光物産展などの催事でもにぎわいをみせ、最盛期には来店者数が1万人を超える日もあったそうです。
そんな桜デパートの名物が桜のマークが入った「桜まんじゅう」。
創業者の立元明光さんが、当時、兵庫で人気だったまんじゅうを視察し、「地域を代表する名物商品になる」と鹿屋に持ち帰ったのが始まりだと言われていて、多い日には1日2000個が売れたそうです。
Q.桜デパートの思い出は?
「屋上にヘリコプターが。何人くらい乗れたんだろう。1人ずつ乗って、遊園地みたい。サルがいたり観光地みたいだった。桜デパートの屋上にサルがいて、うどんを食べる。このおまんじゅうがある。それが子供の頃、親が連れて行ってくれた正月。年に一回の思い出に」
しかし1994年、桜デパートの閉店に伴い、桜まんじゅうも姿を消すことに…
そんな懐かしの味をみんなに食べてほしい!
女性会が立ち上がりました。
レシピや焼き印、焼き台などは立元さんの子や孫が大事に保管していたものを借りました。
販売の場は「かのや夏祭り」。
様々な世代が集まる中で、地域の歴史や文化を語りながら食べてもらうのがねらいです。
祭り当日。
鹿屋の中心市街地の国道などを約2800人の踊り連が練り歩きます。
女性会のメンバーも、桜まんじゅうの屋台の準備で大忙しです。
さあ、さっそく最初のお客さんがやってきました。
桜まんじゅうを購入
「見たことがなくて気になったので買ってみた。帰って家族と一緒に食べたい」
用意したのは黒あん、白あん、サツマイモあんの3種類。
1つ200円で、売り上げの一部は熊本地震の被災地に寄付します。
販売開始とともにどんどん売れていく桜まんじゅう。
懐かしさに足を止める人もいれば、桜まんじゅうを食べたことがないはずの子供たちの姿もー
男の子
「黒あんが好きで、おいしそうだな」
Q桜デパートがあったと聞いたことは?
「おじいちゃんから聞いたことがあります」
Q.もしこの時代にあったら?
「行ってみたいです」
実物を知らない令和の子供たちも夢中で頬張っていました。
そして、販売開始から約4時間。
「桜まんじゅうは完売しました!」
用意した300個全てが完売しました。
鹿屋商工会議所女性会・鶴丸映子会長
「『懐かしい!』ってみんなおっしゃって、『買ってたよ』というお客さんが多かった。よかったです。もし(出店の)声がかかったらぜひ行けると思う。また感想とか頂けたら頑張れると思う」
鹿屋名物「桜まんじゅう」。
デパートがなくなって30年以上経った今も地域で受け継がれる、思い出の味です。
