今週は富山地方鉄道の鉄道線についてシリーズでお伝えしています。

今回のテーマは、「より便利に、利用客を増やすための策」についてです。

地鉄の鉄道線は本線、立山線、不二越・上滝線と3つの路線があり、ともに赤字区間を抱えています。

そのため、国の支援制度を活用した「再構築」を目指しています。

『国からは財政的な支援を受けるんですよね?』単に国からお金をもらうわけではありません。

より便利で利用客が増える路線にするためのアイデアを国に提案する必要があります。

まずは、今の地鉄の利用者や沿線住民がどう感じているのか聞きました。

*沿線住民
「なかなか日中利用する人少ないと思う。朝と夕方その辺の便を増やしてほしい」

*沿線住民
「運賃は気になりますね。気になるけれど最寄り駅なので使っている。週末だけでも良いので終電を伸ばしてほしい。飲み会で1次会の途中で終電に乗って帰らないといけなくなる」

*沿線住民
「ライトレールがスタートした時に県外からも見に来た。旧・富山港線の時は客が乗っていなかったのに(ライトレールのような)運行の仕方をすれば客も増えるし観光にも良い」

国の支援を受けるには、具体的な「利便性向上策」が必要です。

例えば同じく国からの支援を受け再構築する城端線・氷見線は
▽新型車両の導入
▽高岡駅での両線の直通化
▽運行本数の増加などに取り組むことになっています。

では新たな地鉄のトップはどんな利便性向上策が必要だと考えているのか、聞いてきました。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「これまで、いち事業者でなかなかコスト的にもやれなかったような施策もやれると思う。利用の増える施策は簡単に言うと3つ思っている」

今年6月に富山地方鉄道のトップに就いた新庄一洋社長。

先月、「全線維持」で検討する方向にまとまった電鉄富山と宇奈月温泉を結ぶ「本線」について、3つの利便性向上策が必要だと述べました。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「地鉄、正直ちょっと高めですよね…他の事業者さんと比較すると再構築事業を活用して運賃を下げる。車だといつでも利用できるそれにやっぱり少しでも近づけるには運行本数が多ければ多いほど良い。他社の鉄道事業者さんとサービス面での連携」

1.運賃の値下げ
2.運行本数の増加
3.他社との連携で鉄道ネットワークを拡充するこれが新庄社長が考える具体策です。

例えば、富山駅から魚津駅への普通運賃。

あいの風とやま鉄道が600円なのに対し、地鉄は900円と同じ区間の移動でも1.5倍高くなっています。

あいの風は県や市町村、民間企業が出資し運営している「第3セクター」で自社で運行費用を賄う地鉄とは収益構造が異なります。

新庄社長は行政の支援が入ることで運賃の値下げを実現したいと話します。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「運賃を下げる、そういったサービスを提供すれば事が起きるというか利用の流れが少し変わるのではと思う。名前出しますけど、あいの風さんで300円のところ地鉄だと500円って。私は本気で富山県の鉄道ネットワーク、地域交通ネットワークを充実させていくのであれば、そこは目を背けちゃ絶対できないと思います。そうしないと(他社との)連携もできないんですよ同じ水準にしてこそ」

2つ目は運行本数の増加。

議論が一歩進む不二越上滝線ではサービス水準を高めるため
▽全区間で終日30分に1本
▽朝夕のピーク時は15分間隔とし、終電時間を延長するといった案が議論されています。

新庄社長はこの案に理解を示しながらも課題は運転士の確保だといいます。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「社会的に問題となっている運転士の確保。車両の確保だけでなく、それを稼働させる運転士の養成確保という、非常に高いハードルがある」

現在、地鉄では運転士の充足率が市内電車の軌道線で82%鉄道線が81%と足りず残業や休日出勤を運転士に依頼しやりくりしている状況です。

2023年から去年にかけては軌道線・鉄道線あわせて19人の運転士を採用するも21人が離職しました。

新庄社長は再構築をきっかけに、沿線自治体と連携した採用活動を行うとともに、やりがいのある職場にすることが重要だと話します。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「働いていても全然お客さん乗ってこないしやりがいを全く感じないんだって(運転士が)言ううんですだから、離職防止は乗ってもらって自分たちが運転するバス・電車で移動したい人の思いをかなえることもやりがいにつながると思う。バスで(プロ野球の)オールスターで6000人を運んだけれど、全員残業ですよ。21時40分に試合が終わって23時40分まで輸送したが誰も不満言わないやっぱり利用されてこその”やりがい”も不可欠です」

そんな、やりがいにつながる画期的な例として新庄社長が例にあげるのは

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「ライトレールの時は、こんな事業が始まるよって事業規模を拡大して、何か新しい夢にもつながるような、そういったところで自分も働いてみようと思いをすごく持った人たちが集まったんです」

2006年に開業した「富山ライトレール」。

バリアフリー対応の新たな車両かつ15分間隔で運転したことで、旧富山港線と比べ、平日の利用者は2.2倍休日は4.7倍に増えました。

今回の再構築もこうした刷新感が大切だと訴えます。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「再構築事業という新たな目玉があるただ残すだけにとどまらず各地域で盛り上げて鉄道の存在価値をどんどん高めていきますよと」

こうした改善策を通して、最終的には他社との連携でダイヤの接続や乗入れなど利便性を高めていきたいと強調します。

*富山地方鉄道 新庄一洋社長
「残すだけにとどまると、存続という意味、あるいは移動手段の範囲にとどまるが、”活かす”になってこそ移動手段にさらに役立てる移動手段以外にも役立てることにつながるから、そこが今後の勝負所じゃないかなと」

人口が減少するなか、利用者を増やす方策はまとまるのか、再構築を話し合う会合は来月開かれます。

富山テレビ
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