2026年7月11日、夏の高校野球高知大会が開幕。2026年も球児たちの熱い夏がやってきた。
今回は、別々の高校でキャプテンを務め、甲子園を目指すという漫画のようなストーリーを歩む双子の兄弟を取材した。しかも兄弟そろってのイケメンであり、弟は「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」で上位に入った経験も持っている。
伝統を背負う高知商業高校
春夏合わせて37回の甲子園出場を誇る高知商業高校。2026年の春は高知大会を制し、四国大会でも準優勝、夏の高知大会には第1シードとして挑む。注目は、エースの北添颯志投手だ。「藤川球児2世」とも呼ばれる彼の武器は、長身から投げ下ろす最速148キロのストレートである。
北添選手は自身の呼び名について、「悪い気はしない。(高知商の先輩・藤川球児さんの)予告して打たれない真っすぐはすごい。自分もこの夏そういうピッチングを目指したい」と話す。
一方、岡村英人監督が「北添はもちろんだが、キャプテンの相原がチームをまとめて引っ張ってくれている」と絶大な信頼を寄せるのが、キャプテンの相原遥紀選手だ。
8勝のうち6勝が2点差以内という接戦に強いチームを、安定した守備と勝負強いバッティングで牽引している。彼にはこの夏、対戦したい相手が高知東高校にいる。
キャプテン・相原遥紀選手が見つめる先は…
凛とした目元とツーブロックが特徴の、高知東野球部キャプテン・相原楓紀選手。兄の遥紀選手に顔がそっくりな双子の弟だ。
高知東は部員数21人と小所帯ながら、春のセンバツ出場校・高知農業に練習試合で勝利した実績を持つ。セカンドを守る楓紀選手は、監督やチームメートも認めるキャプテンシーが持ち味だ。
楓紀選手は兄・遥紀選手に対して「(兄は)たまにあこがれの存在にもなるが、四国大会とかいってるのでライバル的な存在」と話す。
弟・楓紀選手「(兄は)たまにあこがれの存在」双子の兄弟、野球の原点は
双子の素顔に迫るべく、取材班が自宅を訪ねると、野球を始めた小学3年生の頃の思い出が見えてきた。現在、兄・遥紀さんが高知商業の寮に入っているため、弟・楓紀さんは両親と妹の4人で暮らしている。
相原兄弟が野球を始めたのは小学3年生の時。父・一紀さんの影響があった。一紀さんは高校時代に今治西高校(愛媛)で春のセンバツに出場した野球人で、四国銀行では社会人野球の選手としても活躍していた。
そんな父の背中を見て育った兄弟は小学生の時にはバッテリーを組み、中四国のチームが参加する大会で優勝。セカンドとショートで二遊間を組んだ香長中学時代には県大会で優勝、全国大会にも出場した。
しかし、高校進学時にあえて別々の道を選んだのは、互いへの自立心の表れでもあった。
ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト
そんな中、弟の楓紀選手は、中学3年生の時に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」に出場し、1万5155人中BEST200に選ばれた経験を持つ。
当時の出来事を母・あづささんは「私の親友が(ジュノンボーイに)うちの子たちを応募したいと言ってくれて、2人に聞いたが、遥紀(兄)は『そういうの嫌だ!絶対嫌だ!』って言った。楓紀は『いいよ』って」と嬉しそうに話す。
コンテストに興味を示さなかった兄の遥紀選手は「あんまり興味なくてめんどくさいきやらん方がいいかなって。髪の毛生えたら僕の方がかっこいいかな」と話す。
双子でありながら対照的な2人だが、母・あづささんが一番大切にしているのは、野球を始めた日に2人で練習に出かけた、あのうれしそうな背中だ。
決勝の舞台で、再び相まみえるために
兄弟揃っての最後の夏に、父・一紀さんは「せっかくそれぞれのチームでできた仲間を信じて、勝ち負けよりもやってきたことを出すっていうことを一番に考えてくれたらそれでいいです」と口にする。
母・あづささんも「2人がもし対戦することになったら、いつも応援Tシャツを着て保護者の応援席で応援するんですけど、片腕ずつ(袖を)通してバックネット裏のど真ん中で一人で応援しようと思ってます」と話していた。
6月27日の組み合わせ抽選会で、各校の主将が集まる中に兄弟の姿もあった。直接対決が実現するとすれば、それは決勝戦である。
「決勝までいって当たれるように頑張ります」と語る弟・楓紀選手に対し、兄・遥紀選手は「俺らは決勝いくき、決勝いけるように頑張ってください」と力強く返す。
それぞれのチームで培ってきた想いを胸に、2人は最後の夏へと挑む。同じ日に野球を始め、別々の道を歩んだ双子のキャプテン。
甲子園という夢の舞台を目指し、絆と誇りを胸に戦う彼らの夏がいま、幕を開ける。
高知の空の下、双子の物語はどんな結末を迎えるのだろうか。

