高齢者が生活に必要としているもの、それは・・・

高齢社会白書が公表された。
今年度の特集は高齢者の住宅と生活環境に関する調査だ。
近所づきあい、居住地域、孤独死、子どもとの同居、外出手段など多岐にわたる。

高齢者の交通事故が目立つ中、注目されたのが、高齢者の車の運転に対する意識だ。
公表した内閣府は「高齢者の運転に関しては問題意識もあり、今回充実させた」としている。

80歳以上で4人に1人  “高齢ドライバー”傾向くっきりと

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60歳以上の人に外出手段を聞いたところ(あてはまるものすべて)
「自分で運転する自動車」56.6%
「徒歩」56.4%
「家族などの運転する自動車」20.5%
となった。

70歳後半(75~79歳)で「自分で運転する自動車」と回答した人は、45.7%、80歳以上では、26.4%と、80歳以上でも4人に1人が外出する際に利用していることが明らかになった。

「自分で運転する自動車」と回答した人のうちおよそ3分の2にあたる67.4%が「ほとんど毎日運転する」と回答した。
年齢別にみると運転頻度は少なくなる傾向があるが、80歳以上でも5割以上(58.7%)がほとんど毎日運転していると回答している。
また、都市規模別では、規模が小さい都市ほど毎日運転する割合が高い傾向にある。

平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より
平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より

車なしに生活できない・・・統計から見えるもの

白書では、「今後、車の運転することについての考え」も記述され、「一定の年齢に車の運転をやめようと思っている」人が40.4%、「視力の低下などにより運転の支障を感じたら車の運転をやめようと思っている」人が39.8%だった。

一方、「年齢や身体的な支障の有無にかかわらず、車の運転を続けようと思っている」と回答した人も、11.5%となった。
この数字は、70歳から74歳では18.7%、80歳以上で17.4%にのぼる。

内閣府は「高齢者と運転は、日常生活に不可欠になっている人が多い。外出手段の確保を総合的に考える必要があり、どうしたら高齢者が安全に外出できるかどうか検討していかなくてはいけない」としている。

特に公共交通機関の利便性が伴っていない地域では、自分、もしくは家族が運転する車に頼らざるを得ない実態が明らかになった形だ。

車だけじゃない 高齢者の「安心」につながるのは・・・

高齢者が安心して住み続けるために必要なものは・・・
60歳以上の高齢者の答えは、「近所の人との支え合い」が55.9%と半数を超えて最も多く、次が「家族や親族の援助」49.9%、かかりつけ医等健康面での受け皿」42.6%が続く。

「近所の人との支え合い」や「家族や親族の援助」は女性が男性より高い結果にもなった。
また、年齢が高いほど、「家族や親族の援助」が必要と考える割合が高くなる傾向が見られた。
また、「子と同居したい」34.8%、「同居ではなく近居したい」29.0%。「同居か近居のどちらかをしたい」9.6%と、70%を超える高齢者が同居か近居を望んでいる実態が見えた。

平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より
平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より

近所の支え合いを大切にしながらも本心は、“子どものそばに”と考えているようだ。

8割が「生きがい感じる」 すすむ高齢化に何ができるか

平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より
平成30年度「高齢者の住宅と生活環境に関する調査」より

健康寿命がのび、前期高齢者を後期高齢者が初めて上回った今回の調査。
喜びや楽しみなど生きがいを感じていると答えた高齢者は、8割以上にのぼる。

交通事故や年金問題など、老後を迎えた人そしてこれから迎える私たちにとって国や個人が考えなければならない問題は山積しているが、高齢者が生きがいを持ち続け、住みやすい社会になることを多くの人が望んでいるはずだ。

(執筆:フジテレビ社会部厚生労働省担当 滝澤教子)