京都府南丹市の山中で、安達結希さん(11)が遺体で発見された事件で、死体遺棄容疑で逮捕された父親の安達優季容疑者。
捜査関係者によりますと、逮捕前の任意の取り調べに対して安達容疑者が「車で息子を小学校まで送った後、別の場所に連れて行き、殺害した」、さらに「殺害した場所で遺体を遺棄した後に別の場所に移動させた」という趣旨の供述をしているということです。
この事件をめぐっては、通学かばんや靴がバラバラの場所に点在していたなど謎がいくつも残っていましたが、新たな情報が入ってきました。
通学かばんや靴が、安達容疑者の職場までの同じルート上に点在していたことが判明したのです。
20日放送の関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」では、元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之さんが捜査状況について詳しく解説しました。
■自宅から約2キロの公衆トイレ周辺で何が?
また、警察が容疑者の自宅から約2キロの公衆トイレ周辺を調べたことも分かっています。
捜査関係者によると、逮捕前の任意の取り調べで安達容疑者は、「衝動的に首を絞めて殺してしまった」という趣旨の供述をしていることから、鳴海さんはこの場所が単なる遺棄場所にとどまらず“殺害場所である”可能性も指摘します。
【鳴海達之さん】「取り調べの中で『殺害した、首を絞めた』というような話をしていますから、警察としてはこの公衆トイレとか、その周辺というふうなことを話しているのかなと思います。
公衆トイレとかその周辺に長い時間(遺体を)置いていくと発見される危険性は高いですから、早々に遺体を車に乗せて、どこかに移動させるというのが普通だとは思うんですよね」
さらに、なぜ公衆トイレ付近が選ばれた可能性があるのかについても、鳴海さんは「地の利」という観点から説明しました。
【鳴海達之さん】「ここでもし犯行が行われたのであれば、(容疑者の)地元ですから、ここにどんな人が来て、何時頃の時間帯ならほとんど人が来ないというのは知っていると思うんですよね。
“地の利”を生かしながら、こういったところで犯行するとなると、それは可能かなとは思います。ましてや自宅から勤務先までの道すがらということを考えれば、その辺りもわかっていた可能性というのがあります」
■安達容疑者の「場当たり的」な行動を指摘
一連の行動を俯瞰して、鳴海さんは「場当たり的」と指摘しました。
遺体を遺棄するにあたって、あらかじめ周到な計画を立てていた形跡が見えないというのです。
【鳴海達之さん】「(遺棄に関して)あらかじめ用意しているわけではありませんし、一旦遺棄しますけど、『やっぱりちょっと見つかりそうだから危ないな、これはちょっと見つかっちゃまずいな』というのでまた移すんですけど、そこもまた場当たり的に場所を選んでるんだろうと思うんですよね。
リスクを承知で最初の遺棄場所から次の場所に移動するという、普通では考えられないことをやったということ。リスクを冒してでも見つけてほしくなかったという心理かもしれない」
■職場までの“同じルート上”に点在していた「通学かばんや靴」
この事件では、結希さんの通学かばんや靴がばらばらに発見されたことも大きな謎の1つでした。これらはいずれも、安達容疑者の職場までの「同じルート上に点在」していたといいます。
特に注目されるのは、通学用かばんの発見経緯です。
消防団が捜索したにもかかわらず見つかりませんでしたが、その後、親族が発見しました。
【鳴海達之さん】「地元の消防団が探せなかったものが、いきなりポンと見つかるような場所にあるというのは不自然ですから、これは『誰かが置いたんだろう』と見るのが普通だと思うんです。発見しやすい場所に置いたというのは、『結希さんがこの場所を通って、隣の京丹波町に行ったんじゃ』と思わせる。そういった工作をしたのかなというふうに思っています」
つまり、通学用かばんや衣類の「点在」は、結希さんが別の場所へ自ら移動したかのような印象を捜査関係者や周辺の人々に与えるための、意図的な細工だった可能性があるというのです。
■今後の捜査のポイントは?
捜査は今後どのように進むのでしょうか。
【鳴海達之さん】「いつどこでどんな方法で行われたのか、その背景には何があったのかというのを重点的に話を聞いていかないと、死体遺棄(での起訴)はなかなか厳しくなってきますので、まずそこをしっかり取り調べして、全体を固めてから殺人に再逮捕に移行することがベストかなと思います」
長年様々な捜査に携わった鳴海さんが「このように遺体を移動させるという事件は無かった」と話します。
謎が多く残るこの事件、真相解明が待たれます。
(関西テレビ「旬感LIVE とれたてっ!」2026年4月20日放送)