高額献金で1700万円の被害を受けた富山県内の70代女性は、東京高等裁判所の解散命令決定を受けて「本当に良かった」と安堵の表情を見せた。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令が確定し、県内約1000人の信者を抱える宗教団体は重大な転換点を迎えている。

9年間で1700万円の被害、元信者が語る苦悩


県内に住む70代の女性は、2014年頃から約9年間にわたって旧統一教会と関わりを持った。その間、教団が販売する壺や宝石の購入、さらには献金として支払った総額は1700万円にのぼるという。

「(解散命令が)下りるかどうか心配だったけれど、本当に良かった」。解散命令の決定を受けて、女性は胸をなでおろした。4年前の安倍元総理銃撃事件をきっかけに表面化した教団の高額献金問題は、多くの被害者にとって長年の苦悩だった。
東京高裁が教団の抗告を退ける
文部科学省は2023年、宗教法人法に基づいて旧統一教会に対する解散命令を東京地方裁判所に請求した。東京地裁は昨年3月、「甚大な被害が生じている」として教団に解散命令を出したが、教団側は「解散の必要性はない」と主張して即時抗告していた。
しかし東京高等裁判所は、教団側の主張を退けて解散を命じた。この決定により、教団は宗教法人としての地位を失い、献金に対する税の優遇措置は受けられなくなる。また、財産の清算手続きに入ることになるが、宗教団体としての活動自体は制限されない。
県内信者約1000人、今後も宗教活動は継続

富山県内には現在、約1000人の旧統一教会信者がいるとされる。富山市の拠点施設では、関連団体である富山県平和大使協議会の鴨野守代表理事が取材に応じた。

「大変残念な結果で言葉もない状況」と鴨野代表理事は述べた。4日午後2時半頃には清算人が施設を訪れ、今後拠点としての使用はできなくなったが、宗教活動は続けていくという。
「きょう最後にここで皆で集まって変わらず、信仰をもっていこうと約束、確認できたのがよかった」と鴨野代表理事は信者たちとの結束を強調した。
被害者救済への期待と教団の今後

元信者の女性は、解散命令を「まず第一歩、前に進めるかなと思う」と評価している。「教団にはいくら献金したか(被害者は)みんな分かっている。それを(教団には)正直に出してもらって(被害者を)救済してほしい」と述べ、教団に対して「反省してほしい」と訴えた。
教団側は最高裁に特別抗告する方針を示しており、法廷での争いはさらに続く可能性がある。一方で、宗教法人格を失った教団がどのような形で活動を継続し、被害者救済にどう取り組むかが注目される。
富山県内の被害者にとって、この解散命令は長年の苦悩に一つの区切りをつける重要な判断となった。今後は具体的な被害回復に向けた取り組みが求められている。
(富山テレビ放送)
